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時価総額1,000億円を超え、東証一部への変更を狙う「じげん」の3つのここが凄い

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今日は、ついに時価総額が1,000億円を超えて東証一部への市場変更を目指すと発表した、じげんの決算を詳しく見ていきたいと思います。


売上と営業利益

はじめに、2017年10月~12月期の四半期の決算を詳しく見てみたいと思います。

売上は24.8億円でYoY+42.4%、営業利益は8.1億円でYoY+35%で成長しています。

事業ドメインとしては、人材・不動産・生活というリクルートが得意とするような三つのセグメントでメディアを運営しています。全てのセグメントで前年同期比で増収増益となっており、成長率も非常に高く、時価総額が上がり続けているのもよく理解できる決算の内容になっています。


時価総額

時価総額の推移を見てみると、東証マザーズに上場した直後からは下落傾向にありましたが、2016年から持ち直してきて、ついに1,000億円の大台に乗りました。

時系列で売上の推移を見てみると、この右肩上がりで急成長してきているのが一目瞭然で、おそらくマザーズ上場直後にはビジネスモデルに懐疑的だった投資家も、この実績を見て安心して投資ができるようになり、それが時価総額の上昇に繋がっているのでないでしょうか。


東証一部への市場変更を目指すと発表

そして好調な株価の推移もあってか、2018年3月22日に東証一部への市場変更を目指すという発表をしました。

その中でも大きな発表としては、「社長の持ち分を66.5%から49.9%へ減らして留保金課税を解消」という記載があります。

東証一部に上場するに際しては流通株式比率が35%以上である必要がありますが、現時点では社長の持分が66.5%もあるので35%以上の株式が流通するのが不可能になっており、それを可能にするために社長が約16.5%もの大きな割合の株式を放出するという発表です。

これは個人的な推測に過ぎませんが、今回の株式放出はおそらく社長のキャピタルゲイン目的ではなく、会社として中長期で成長していくために一番ベストな方法を取ったというのが正直なところではないでしょうか。

というのは、じげんのように一人の株主の保有比率が50%を超える会社を特定同族会社と呼ぶのですが、特定同族会社は留保金課税と言って通常の法人税にプラスして余分に税金を払う必要があります。

今回社長が株式を放出することで、この留保金課税を避けることができ、かつ東証一部というより大きな市場に変更をすることができるという二重取りができるという点で、会社にも大きなプラスになると言えるでしょう。

株式放出後でも社長が個人で49.9%と過半数に限りなく近い株式を保有する形になっており、議決権のコントロールを失うリスクを最小化しているという点からも社長の個人的なキャピタルゲイン目的でないことは明らかだと言えるでしょう。


じげんの3つの「ここが凄い」

多くの読者の方には不要かもしれませんが、じげんのビジネスモデルを簡単におさらいしておきましょう。

じげんは人材・不動産・生活領域で複数のメディアを運営している会社ですが、まずは図の左側の企業からデータを収集し、データベースを大きくしていきます。

次にそのデータベースをもとにユーザーに魅力的な情報を提供し、多くのユーザーを獲得します。

そしてその獲得したユーザーを企業に送客することでマネタイズする、というモデルになっています。 多くのユーザーが集まれば集まるほど左側の企業にとっては魅力的なメディアになります。

このようにモデルとしては比較的わかりやすい、典型的なメディア企業のビジネスモデルになっていますが、その中でもじげんのここが凄いと個人的に思った3つのポイントを詳しくあげておきたいと思います。

この記事はメディアビジネスを運営されている方、マーケットプレイスをされている方に参考になる内容になっています。

じげんの場合、提供しているサービスのドメインには多くの競合が存在します。人材・不動産・生活のそれぞれの領域でリクルートなど超巨大企業が十分な存在感を持っています。

そんな中でもこのように安定的に成長を続ける秘訣を探ってみたいと思います。


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