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Q. 生成AIはMicrosoftの売上にいつから寄与し始めるのか?

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ヒント:MicrosoftはOpenAIへの投資やAzure・Office製品へのAI連携など、積極的な動きを見せています。

2022年末から、テキストや画像、動画、音楽などを生成できる「生成AI(Generative AI)」に多くの注目が集まっています。

生成AIを用いた主なサービスとして、OpenAIが運営する「ChatGPT」やGoogleが提供する「Google Bard」などのチャットサービスがあり、一度は利用したことがある方も多いのではないでしょうか。

そんな注目の生成AIにおいて、GAFAMの中でも最も積極的な動きが見られるのは「Microsoft」です。Microsoftは2019年からOpenAIに積極的な投資を行うなど、早い段階から準備してきました。

そんな生成AIに対して早期から積極的に関与しているMicrosoftですが、生成AIによる売上はいつ頃から寄与してくるのでしょうか?

この記事の前半では、MicrosoftとOpenAIの協業やMicrosoftの生成AIを使ったサービスの紹介、記事の後半では生成AIが収益化する時期、生成AI事業の成長に向けた懸念事項について解説しています。


OpenAIへの投資と協業

Microsoftは、生成AIの代表格と言える「ChatGPT」を運営するOpenAIへの投資と協業を行っています。

具体的には、Microsoftは2019年にOpenAIに対して10億ドル(約1,300億円)を出資。2021年には追加出資を行っています。また、2023年8月現在、追加で100億ドル(約1.3兆円)の出資を進めており、最先端のAI開発に向けたパートナーシップを締結しています。


OpenAIのモデル学習やChatGPTのホスティングのAzure利用

ChatGPTは、ユーザーからの問いかけに対して、Web等から収集した大量のテキストデータをもとに学習したAIが、まるで対話をしているような表現で回答してくれるサービスです。

We’ve worked together to build multiple supercomputing systems powered by Azure, which we use to train all of our models. Azure’s unique architecture design has been crucial in delivering best-in-class performance and scale for our AI training and inference workloads. Microsoft will increase their investment in these systems to accelerate our independent research and Azure will remain the exclusive cloud provider for all OpenAI workloads across our research, API and products.

引用:OpenAI and Microsoft extend partnership(OpenAI)

上記の2023年1月に発表されたOpenAIとMicrotoftのパートナーシップでは、ChatGPTの大量のテキストデータをもとにしたAIの学習に、Microsoftのクラウドサービス「Azure」が利用されていると記載されています。

また、公言はされていませんが、ChatGPTのホスティング(ChatGPTのサーバー)もAzureが使用されているのではないかと言われており、前述したMicrosoftとOpenAIのパートナーシップからも妥当であると考えられます。

ChatGPTは大量のテキストデータの学習と、1億人を超えるユーザー数を抱えているサービスであることから、運営にあたり相当なコストが発生しているでしょう(反対に、Microsoftでは相当の売上が発生していると考えられます)。


Microsoft製品へのGPT連携

このように、MicrosoftはChatGPTを運営するOpenAIへの投資をかなり前から行っており、ChatGPTにAzureが利用されているなど、技術面の連携も進んでいます。

ここから、Microsoftが提供する生成AIが連携されている二つのサービスをご紹介します。

●Azure OpenAI Service

2023年5月にリリースされた「Azure OpenAI Service」は、AIの専門知識を持たない開発者でも、Azure上でOpenAIのAIを簡単に構築・利用できるサービスです。

ChatGPTを利用する際にセキュリティの懸念等によって利用を制限する会社がありますが、Azure OpenAI Serviceを利用することで外部との通信を管理できるため、セキュリティや信頼性を担保できるメリットがあります。

Azure OpenAI ServiceのAI活用サポートとセキュリティ面の向上により、Azure利用企業の単価引き上げが期待でき、Microtoftのクラウド事業の売上増加に繋がると考えられます。

●Microsoft 365 Copilot

2023年3月に「数ヶ月以内に利用できる予定」と発表された「Microsoft 365 Copilot(コパイロット)」は、WordやExcel、Outlook、Teams等のMicrosoft Office製品でAIによる作業の効率化ができるサービスです。

例えば、WordはCopilotが必要に応じて組織内の情報(社内で共有されている議事録や組織図など企業内の情報)を盛り込みながら、ユーザーに代わって文章の作成・編集・要約などを行ってくれます。

その他、ExcelやOutlookなどの使用例は以下からご確認頂けますので、気になる方はこちらからご確認ください。

参考:Microsoft 365 Copilot をリリース – 仕事の新たな形を創造(Microdsoft Japan Windows Blog)

このMicrosoft 365 Copilotは、7/18時点で「ユーザー1人あたり月額$30」で提供される予定とのことで、Microsoft 365 Business Standardは$12.50、エンタープライズ向けのOffice 365 E3(Teams・グループウェア機能含)は$23.00であることを考えると、かなり強気な価格設計と言えるでしょう。

全ての既存ユーザーがMicrosoft 365 Copilotを導入するとは限りませんが、Microsoft 365 Copilotを導入する企業の単価が倍増することは間違いありません。

ここまで、Microsoftによる生成AIへの投資・協業・サービス連携について見てきました。記事の後半では、これらの生成AIの売上はMicrosoftの決算にいつ寄与するのか?について見ていきます。

この記事は、生成AIやGAFAMの一角を担うMicrosoftの決算に関心がある方、投資による成長戦略に関心がある方におすすめの内容となっています。


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・Q. 生成AIはMicrosoftの売上にいつから寄与し始めるのか?の答え
・売上ヒットのタイミングは?
・生成AI活用拡大に向けての懸念は?
・実は注目したい●●の動き
・まとめ


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