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Q. 製薬DX企業3社の決算から分かる、売上急成長の3つの理由とは?

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ヒント:コロナ禍で、製薬企業のMR、医療従事者ともに、対面での情報提供が困難になったことが背景にあります。


この記事は新規上場企業の"目論見書分析note"を書いているWatanabeさんとの共同制作です。

コロナ禍におけるDX化の流れは、製薬業界も例外ではありません。コロナ感染拡大を背景に病院への訪問が難しくなったこと、医師がネット経由で情報を集めるようになったことを背景に、製薬企業の営業担当者であるMR(=Medical Representative。医薬情報担当者)は、前年比4.6%減の5万7158人となり、6年連続で減少※1しています。

※1 製薬MR、デジタル化で淘汰の高波 6年連続減

一方、製薬企業のDX化を支援する代表的な企業であるエムスリーは11年連続最高益※2を更新しています。2021年1月には株式時価総額が一時6兆円を超えて、製薬トップ企業の武田薬品工業を上回る※3など、好調ぶりが目立っています。

※2 エムスリー、11年連続純利益最高

※3 エムスリーの時価総額、1年で3倍に

今回の記事では、製薬企業がDX化を急務として取り組む中、以下の製薬DX企業3社の業績を俯瞰し、売上が急成長している理由を深堀りして分析していきます。

・エムスリー
・メドピア
・ケアネット


製薬企業の営業コスト

製薬企業の営業コストはMR関連費用(オフライン)とインターネットマーケティング(オンライン)に分かれています。

エムスリー 2021年3月期 決算説明資料(2021年4月23日)

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製薬企業の営業コスト全体のうち、約98%がMR関連費用などオフラインのコストで占め、その額は約1.5兆円になります。一方、インターネットを通じたオンラインの営業コストは約300億円で全体のたった2%です。

営業効率化とコロナ感染拡大防止の観点からオフラインの営業コスト配分が少なくなる一方、オンライン営業の重要度が増し、将来的には約2,000億円〜3,000億円に成長する見込みとなっています。


医薬営業支援サービスのビジネスモデル

次に、製薬DX企業のビジネスモデルを見ていきましょう。
製薬DX企業は、製薬企業に向けて、自社のプラットフォームを通じ、医師に情報提供を行える機会を提供しています(マーケティング支援)。

メドピア 2021年9月期第1四半期 決算説明資料(2021年2月15日)

画像2

従来の医薬営業は、製薬企業のMRが医療機関に訪問し医師に対して、医薬品の情報提供を行ってきました。上述の営業コスト配分からわかるように、インターネットが占める割合は非常に少なく、対面営業が中心となっています。

そのような中、製薬DX企業は、医師と製薬企業担当者がオンラインでより効率的にコミュニケーションを取れるよう、両者を繋ぐマーケティングプラットフォーム(上図はメドピアが運営する「MedPeer」)を運営しています。

ビジネスモデルは、基本的に医師にはサービスを無料で提供し、製薬企業から収益を得るモデルです。製薬企業に対する課金体系は、プラットフォーム利用の基本料金、医師とのコミュニケーションに応じた従量課金、さらに、広告や映像などコンテンツ制作もあります。


製薬DX企業3社の四半期業績

ここからは、各社の直近の四半期業績を見ていきましょう。

画像3

注:エムスリーは2021年3月期4Q(2021年1月-3月)、メドピアは2021年9月期1Q(2020年10月-12月)、ケアネットは2020年12月期4Q(2020年10月-12月)になります。

上図は、2021年4月23日時点最新決算の四半期売上と営業利益の前年同期比を示しています。

3社の収益規模を比較すると、エムスリーの売上および営業利益の額が桁違いに大きいことが分かります。エムスリーの2021年3月期4Q売上は454.5億円でYoY+31.2%、営業利益は154.9億円でYoY+109.4%となっています。

3社のうち最も成長率が高かったのはメドピアで、2021年9月期1Qの売上は19.4億円でYoY+106%、営業利益は6.3億円でYoY+242.2%と急成長しています。ケアネットもかなりの高成長であることから、製薬業界全体でDX化が進み、各社の業績が好調となっていることが分かります。

ここからは、各社の業績動向を解説していきます。


エムスリーの業績動向

下図は、エムスリーの通期業績推移になります。

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FY20(2020年4月-2021年3月)の売上収益は1,692億円でYoY+29%、営業利益は579.7億円YoY+69%となっています。FY19からFY20への増収額は+382.3億円、増益額は+236.4億円となり、グラフから見ると、今期は非常に大きく増加していることが分かります。

増収増益の主な要因は、主力のメディカルプラットフォーム事業の成長です。製薬企業の医薬営業を支援するメディカルプラットフォーム事業の売上はYoY+50%、利益はYoY+97%と急成長しています。

メディカルプラットフォーム事業売上
FY19 512.7億円
FY20 770.8億円(YoY+50%)

メディカルプラットフォーム事業利益
FY19 192.5億円
FY20 379.0億円(YoY+97%)

FY21(2021年4月-2022年3月)の業績は変動要素が多いため非開示となっているものの、製薬企業のオンラインシフトが進むことを背景に、基本的には成長を維持する見込みとなっています。


メドピアの業績動向

下図は、メドピアの四半期別売上推移になります。

画像5

FY21 1Q売上は19.4億円でYoY+106%(2.1倍)となりました。営業利益も6.3億円でYoY+242%(3.4倍)となり、売上・利益ともに四半期で過去最高を更新しています。中でも、主力事業であるドクタープラットフォーム事業が好調です。

ドクタープラットフォーム事業 売上
FY20 1Q  6.9億円
FY21 1Q 16.1億円(YoY+130%)

ドクタープラットフォーム事業 営業利益
FY20 1Q  2.7億円
FY21 1Q  7.3億円(YoY+168%)

増収増益の背景には、12月決算企業の広告需要を取り込んだことがあります。さらに、子会社である株式会社コルボが広告ライティングや映像制作を手がけており、広範囲なマーケティング支援を一気通貫で提供できる体制によって収益が拡大しています。

ドクタープラットフォーム事業は通期でも順調に推移すると予想されており、FY21(2020年10月-2021年9月)の通期売上予想は57億円でYoY+1.4倍の見込みです。


ケアネットの業績動向

下図は、ケアネットの通期セグメント別業績になります。

ケアネット 2020年12月期 決算説明資料(2021年2月22日)

画像6

エムスリーやメドピアと同様、主力事業である医薬営業支援サービスの売上が好調で、FY20(2020年1月-12月)のセグメント売上は48.2億円でYoY+67.8%、セグメント利益は26.7億円でYoY+80.7%となっています。

医療コンテンツサービスが事業投資フェーズのため減益となりましたが金額は小さく、医療営業支援サービスのセグメント利益がケアネット全体の利益に大きく貢献していることが分かります。

ここまでは、製薬DX企業3社の業績動向を俯瞰して見てきました。コロナ禍において、製薬企業のDX化が浸透したことにより、各社の業績に大きくプラスに働いていることが分かります。記事の後半では、各社の売上が急成長している要因を深堀分析していきます。

さらに、業界の成長ポテンシャルについても詳しく解説しています。今回の成長は、コロナによる特需なのでしょうか?

今後もメディカル領域のDX化が拡大し続けるのか、詳しく解説していきます。

この記事は、製薬・医療ビジネスに携わっている方、製薬・医療現場のDX化に興味がある方、さらに、業界のDX化と企業業績の関係に興味がある方に最適な内容になっています。


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・売上が大幅に成長している3つの理由
・理由1:●●●
・理由2:●●●
・理由3:●●●
・メディカル領域におけるDX化のマーケットポテンシャル
・医療現場のDX化による事業ポテンシャルの事例
・まとめ

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