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CMでよく見かけるラクス、広告宣伝費を急増させてもOKだった理由は?

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


ラクス 2022年度3月期 第1四半期決算の印象は?

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ーー(Risa)皆さん、こんにちは。Risaです。今回は、クラウドサービス事業及びIT人材事業を展開するラクスの決算をシバタさんと一緒に読んでいきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いいたします。

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ーーラクスは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げています。会計ソフト「楽楽精算」などの業務支援SaaSを提供するクラウド事業と人手不足の企業に対して社員を派遣するIT人材事業を展開している企業です。

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ーー今期は、売上高46億1,300万円、営業利益5億1,900万円、純利益3億4,600万円となりました。

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ーーラクスは、クラウド事業が売上の大半を占めています。また、売上は+33%と大幅な増収になったものの、販売管理費が増したことによって今期の営業利益は-42.9%の減益という結果でした。昨今はリモートワークを推奨する企業も多く、業務DX化のニーズが増してきているマーケット環境です。シバタさん、ラクスの今回の決算全体の印象を教えてください。

(シバタナオキ)SaaSの会社なので、一番大事なのは売上やトップライン、ARR(年間経常収益)の伸びが一番大事です。今回は前年同期比+33.3%ということで、規模がそれなりに大きいので非常に素晴らしい成長率だったと思います。

上図を見れば分かる通り、売上もすごい伸びていますが、かなり大きな投資をしました。特に広告宣伝費周りで大きな投資をしているのはすごく分かります。そのため利益は減益になっていますが、かなり攻める意味でのアクセルを踏んで減益になっているという決算だと思います。


今、広告宣伝費に資金を投下した理由は?

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ーーまず、SaaS企業を見るときの定番40%ルールを見ていきます。今期は売上成長率33.3%+営業利益率11.3%=44.6%と40%ルールをクリアしています。前年同期はここが62.24%でしたので、今期は大幅に減っています。

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ーーこの大きな要因として広告宣伝費の大幅な増加にあると思いますが、このタイミングでラクスがこんなにも思い切って広告宣伝費に資金を投下したのはなぜでしょうか?

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上図にある通り、クラウド事業の伸びが凄いです。今日の話の後半に出てくると思いますが、広告費を投入することで着実に売上成長につながるということが分かってきたので、そこに対する確度が高いからこれだけ大きな金額を投資したというのが今回の大きな広告宣伝費の投資につながっていると思います。

ーーこの時期にというのは、やはりこれからラクスのターゲットである中小企業がどんどんこういった業務支援システムを使うというところもあって一気にアクセルを踏んでいるのでしょうか?

そうですね。日本だとDXと言いますが、今、世の中的にそういう流れになっていくのは間違いありませんし、中小企業の人たちが今までなかなかそういうところにいってなかったのに、これからどんどん増えていくというのもトレンドとしては大きいです。

ただ、世の中のトレンドという話と、自社で実際に広告宣伝をしたときに広告宣伝費がどのぐらいで回収できるのかや、自社の中で数字が合うのかはまた別の話だと思いますが、今回のラクスに関しては、その数字も合うことが分かっており、踏めるだけ踏もうという感じで広告宣伝費を投入しているのが実態でしょう。


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