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Q.BTS所属事務所の「HYBE」、ライブができないコロナ禍でも好調を支える最大の事業とは?

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ヒント:他の芸能事務所がコロナ禍でライブがなく売上が減少している中で、HYBEはアーティストの●●を活用した独自の戦略を加速させることで売上を成長させています。

この記事は沼幹太さんmasmさんとの共同制作です。

昨今、世界で最も注目を集めているアーティストグループの1つが、みなさんご存じの「BTS」です。

BTSは、アーティストとして韓国国内のみならず、海外や日本で広く活躍しており、世界的に人気を博し以下のような数々の記録を打ち立てています。

・アメリカ・ビルボード総合チャートで韓国人初の1位獲得
・Spotifyでの最多ストリーミング数など23個のギネス記録を保有
・日本国内のオリコンランキングでも2021年の年間総売上1位(海外アーティスト初)

BTSの人気が高まると同時に、彼らが所属している芸能事務所である「HYBE(旧:Big Hit Entertainment)」の事業戦略にも注目が集まっています。

アーティストを抱える芸能事務所にとっては、コロナ禍で活動に制限がある状況は大きなマイナス要因であるはずですが、HYBEはそのような状況でも業績を向上させています。
今回の記事では、コロナ禍でも成長を続けるHYBEのユニークな戦略を、直近の決算を元に解説していきます。

注)本文中では簡略化のためウォン(KRW)と日本円(JPY)のレートをKRW/JPY=0.1として計算しています。(10ウォン=1円)


BTSが所属する芸能事務所の「HYBE」とは?

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まず、HYBEについての基本情報を整理していきます。

HYBEは、2005年に韓国の芸能事務所である「JYP Entertainment」で作曲家をしていたパク・ジヒョク氏(現チェアマン)が独立して設立した会社です。設立当初は「Big Hit Entertainment」という社名でしたが、2021年3月に現在のHYBEに社名変更しました。

Big Hit Entertainment(現:HYBE)は、設立後しばらくは目立ったアーティストを輩出することができず、2007年には破産寸前となり、2015年には韓国で上場していた「Signal Entertainment Group」に買収される(その後2017年に関係解消)など、苦しい経営状態が長らく続いていました。

しかし、2010年に「ヒップホップオーディションHIT IT」というオーディションを開催し、そこで選抜されたメンバーが2013年に「防弾少年団(現BTS)」としてデビューしました。その後、BTSが世界トップクラスのアーティストに成長したことで、HYBEは一躍大手芸能事務所となり、2020年10月に韓国証券取引所に上場を果たしています。


BTSメンバーにストックオプションを付与

上場時に話題になったHYBEのユニークな点は、設立者兼筆頭株主のパク・ジヒョク氏から所属アーティストに合計478,695株を贈与している点です。当時の発行済株式が約3,600万株であったため、全体の約1%を贈与したということになります。

贈与総額の株式価値を計算すると、
・2022年2月3日現在のHYBEの株価が約₩238,000(約23,800円)
・₩238,000 × 478,695株=₩113.93B(約113.93億円)
となり、所属アーティストにも成果を大きく還元することで、アーティストの契約継続やモチベーションの維持、向上に貢献していると考えられます。


HYBEの決算

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次に、HYBEの業績について見ていきましょう。
上のグラフはHYBEの四半期売上の推移を表しています。2021年Q3(2021年7-9月期)の売上は₩341B(約341億円)、前年同期比(YoY)+79.5%と大幅に成長しています。
営業利益は₩65.6B(約65.6億円)、YoY+63.3%とこちらも売上同様大きく成長しています。

2020年Q4から2021年Q1にかけて前四半期比(QoQ)▲42.9%と大きく売上を下げていますが、これは2020年Q4にアルバムが発売されたことによる売上の急増が大きな要因であり、その期間以外はYoYもQoQも売上が成長しています。

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次に、HYBEの市場規模を確認するために、韓国の競合芸能事務所3社と直近3年間の売上を比較してみます。

韓国では、日本で活躍するNiziUやTWICEが所属している「JYP entertainment(以下JYP社)」、BIG BANGやBLACKPINKが所属する「YG entertainment(同YG社)」、東方神起やEXOが所属する「SM entertainment(同SM社)」が3大芸能事務所と言われてきましたが、HYBEが急成長して一気に3社を抜き去り、現在は韓国4大芸能事務所と言われるようになりました。

上のグラフは、4社の2018年〜2020年の売上推移を示しています。HYBE以外の3社は売上が停滞、微減しているものの、HYBEは急成長を遂げており、2019年までトップだったSM社を抜き去り、2020年には最も大きな売上を上げていることがわかります。

2020年の売上で比較すると、HYBEの売上はJYP社の約5.5倍、YG社の約3.1倍、SM社の約1.4倍と、競合各社を売上規模で大きく引き離しています。

また、株価の比較は以下の通りです。

企業   株価(2022年2月4日現在)
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JYP社   ₩1.5T(約1,500億円)
YG社    ₩1.0T(約1,000億円)
SM社       ₩1.5T(約1,500億円)
HYBE    ₩9.8T(約9,800億円)

HYBEの時価総額は₩10T(約1兆円)に迫っており、競合3社と一線を画していることがわかります。売上も株価も韓国一の規模を誇る芸能事務所となっています。

ここまで、世界的人気アーティストグループのBTSが所属するHYBEの設立からの経緯と業績、競合他社との比較を見てきました。

冒頭で触れた通り、芸能界ではコロナ禍でマイナスの影響を強く受け、HYBEを除く競合他社は売上が伸び悩んでいます。

記事の後半では、HYBEのコロナ禍による影響を感じさせない急成長の要因について決算資料を元に分析し、解説していきます。

この記事は、エンターテインメント事業に従事している方や興味がある方、コロナ禍でも事業を成長させるヒントを得たい方、BTSやHYBE所属のアーティストに興味関心がある方に最適な内容になっています。

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・Q.BTS所属事務所のHYBE、ライブができないコロナ禍でも好調を支える最大の事業とは?の答え
・HYBEのセグメント別売上構成
・コロナ禍でも好調を支えたユニークな事業とは?
・BTSメンバーが抱える懸念事項とは?
・HYBEの成長戦略その1
・HYBEの成長戦略その2
・HYBEの成長戦略その3
・まとめ

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