【時価総額でZARA超え世界一のユニクロ】 広告宣伝費の割合言えますか?
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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。
この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。
今回の決算の印象は?
ーー(Risa)皆さんこんにちは。2月に「ユニクロ」「GU」などを展開するファーストリテーリングが、アパレル企業でトップの時価総額を維持してきた「ZARA」を展開するインディテックスをついに超えて、長年目標としていた世界一になりました。
ーーこのニュースに関して、ファーストリテーリングの決算も含め、シバタさんに解説いただきます。シバタさんよろしくお願いします。
(シバタナオキ)よろしくお願いします。数年前はだいぶ差があるなと思っていましたが、ついにZARAを擁するインディテックスの時価総額を超えました。早速見ていきましょう。
ーーまずファーストリテーリングの2021年8月期第1四半期の結果ですが、売上収益は前年同期より0.6%下げているものの、販管費の削減もあり事業利益、営業利益の部分で前年比プラスの結果になりました。
ーーコロナ禍におけるアパレル不況の中で、ユニクロはむしろコロナ銘柄としてその地位を確立したように見えますが、今回の決算の印象を教えてください。
事業利益が増えているのはすごいことです。しかし当然、コロナでプラスになっている部分とマイナスになっている部分はあります。
一般的に、アパレルはマイナスの影響が大きいといわれていますが、売上も−0.6%とかなり微減です。おそらくコスト管理をちゃんとしているので、事業利益が+25.6%とすごく大きく伸びています。
事業利益率が18.0%と、利益率に関しては前年よりも上がっており、コロナ禍という逆風の中、力強い決算だったと思います。
そして日本と中国がとても好調だということで、コロナの影響が比較的小さい地域は問題なく、まだまだ成長しているという結果です。
しかし、アメリカやヨーロッパなどは、日本や中国に比べるとコロナの影響がまだ大きいのでマイナスになっています。
冒頭にもあった通り、ZARAの時価総額を超えたという事実にふさわしい、とても強い決算になったなと思いました。
ーー先ほど地域的なお話をされましたが、ユニクロが割とアジア圏で強いことも、コロナ禍で好調な売上を維持できている要因になっているのでしょうか。
それももちろんあると思います。海外のユニクロ事業ももう十分大きくなっているのは間違いありません。
国内のユニクロ事業が大きいと思うかもしれませんが、上のスライドを見ると、実は売上は海外の方が大きくなっていることがわかります。
日本で始まったブランドではありますが、海外の方が大きくなってきている、あるいは同じくらいになってきているのではないでしょうか。
国内の成長に依存しているだけではなく、海外もしっかり伸びているのが、一番のポイントです。
ZARAとユニクロの違いは?
ーーZARA、ユニクロ、H&Mなど、SPAいわゆる製造小売業ということで、共通する部分はたくさんあると思いますが、特に現状トップ2のZARAとユニクロの違いについて教えてください。また、ユニクロが勝てている要因は何なのでしょうか。
ユニクロは顧客層の広いブランドです。ユニクロの服を持ってない人を日本で探すのは難しいくらい広く浸透していると思います。一方でZARAに関しては、顧客層は狭く深くといったところです。
ユニクロがベーシックな品質を極める一方、ZARAは最新トレンドの提供スピードに磨きをかけている印象があります。
生産地についても、当初から中国で生産しているユニクロに対し、ZARAは自国スペインを中心に作り、世界で拡大したという違いがあります。
またユニクロは「低価格」を、時間をかけてローコストで実現していますが、ZARAは「スピード」を、値下げを抑えて実現しているという印象です。
広告の面では、ユニクロは広告宣伝に投資して集客しますが、ZARAは広告宣伝を一切行わず、店舗に磨きをかけています。どちらかというと、お店にしっかり投資をし、格好良くしてお客さんに来てもらうようにするのが、ZARAだと思います。
ファッションブランドは色々なカラーがあっていいと思いますが、ユニクロはベーシックなものを低価格帯でみんなに届ける、というイメージがありますね。
ーー確かにそうですね。ユニクロは機能重視、ZARAはトレンド重視のイメージです。
ーーインターネットで見た新しいZARAの服は、店舗に行っても売り切れでもう無かったりするので、結構小ロットで作っている印象はあります。
なるほど。ユニクロに関しては、例えばヒートテックなど、外から見えるものではありませんが、みんなが欲しがるものを作るのが、素材を含めてすごく上手な印象です。
ファッショントレンドの移行にどう対処する?
ーー今のところに関係する、コミュニティからの質問です。これからはシンプルな服よりも、装飾的な服にトレンドが移行する話もあり、ユニクロの持続的な成長を期待できるのか不透明だと思ってしまいます。
ーーファーストリテーリングは、このファッショントレンドの移行にどう対応していくのか教えてください。
ユニクロの根源的な強みは、素材の開発力やそれに基づいたベーシックなアイテムを、他の会社よりも良い品質で安く作れる点だと思います。ファッションの流行り廃りはありますが、それにあまり影響されない点が一番の強みでしょう。
もちろん、その上で流行りのデザインが作られていると思いますが、先ほども言った通り、ヒートテックのようなものが継続的に毎年出てきます。そもそもトレンドの変化するところで勝負していないため、逆に手堅いのではないでしょうか。
海外でこれだけ成功しているのを見ると、やはり物が良いというか、費用対効果が高いのだと思います。値段に対して、すごく高い品質のものを売り出しています。
最近は、ニューヨークやシリコンバレーといった場所にもユニクロはあります。日本よりはだいぶ高い値段だとは思いますが、それでもやはり売れるのです。
そのため、十分これからも競争優位性があり、トレンドに左右されづらい商品が多いことが強みと言えるでしょう。
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