Q. 【国内SaaS決算】AppierがARR規模と成長率、資本効率性に優れている理由は?
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2022年9-12月の決算が一通り揃ってきたので、国内SaaS企業の数字を比較し、ARR(年間経常収益)規模と成長率、資本効率性という視点でどの企業が優れているのか、分析していきます。
比較するのは以下の企業です。(順不同)
※ユーザベースは2023年2月7日に上場廃止となったため、2022年7-9月のデータを用いています。スマレジ、CINCは2022年8-10月のデータを用いています。
ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)
まずはARR規模を比較していきます。上のグラフはARRの高い順に国内SaaS企業を並べたものです。
ARRでは、200億円超えがラクス(261億円)、Sansan(219億円)、サイボウズ(201億円)の3社、100億円超えは、Appier(182億円)、フリー(176億円)、マネーフォワード(163億円)、ユーザベース(136億円)の4社です。
ラクスは2番目に規模が大きいSansanの1.2倍の規模で、比較企業の中で頭一つ抜けています。また、サイボウズは初めて200億円の大台を突破しています。
ARR成長率
次に、ARRのYoY(前年同期比)成長率が高い順のグラフです。
Appierは唯一成長率が50%超えのYoY+52.8%で、マネーフォーワード(YoY+45.18%)、スマレジ(YoY+43.54%)、WACUL(YoY+40.79%)が40%台の成長率で続いています。
Appier、マネーフォワードはこのまま成長率を維持できれば、もう数回の決算で200億円の規模に達する勢いです。
成長率が最も低かったプレイド(YoY+7.54%)は、前年同期の2022年10-12月がYoY+33.61%でしたが、毎期成長率が低下しています。
40%ルール
続いて40%ルールで国内SaaS企業を比較していきます。
40%ルールとは、SaaS企業の成長の成長の健全性を示す指標で、「売上成長率+営業利益率」が40%を超えていると健全であるという1つの目安です。
マネーフォワード(7.46%)やフリー(-3.09%)はARR成長率は高いものの、営業利益率が-30%以下とコストが先行しており、40%ルールでは基準値に達していません。
40%ルールをクリアしている企業は、以下の5社です。
プラスアルファコンサルティングが最も高い66.95%ですが、AppierはARRの成長率が高く(52.8%)、営業利益率とのバランスも考慮すると特に秀でていることが分かります。
ここまで、国内SaaS企業の直近決算を比較していきました。ここから記事の後半では、ARR規模と成長率、投資効率のすべてで優れた数字を出しているAppierについて深堀りしていきます。
この記事は、SaaS事業に関わっている方や興味がある方、SaaS事業の成功要因について知りたい方、Appierのビジネスモデルに関心がある方に最適な内容になっています。
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