見出し画像

完全な自動運転を最初に提供するのは、GoogleではなくTeslaだと思う


まずはこちらの動画をご覧ください。4分弱と若干長いですが、とにかく最後まで見てみてください。

このビデオは、先日「今日以降製造される全てのTesla車は、自動運転に必要なハードウェアを最初から搭載する」という発表の際にテスラが公表したものです。

最初に断っておくと、これは悪くいうと「誇大広告」です。いかにもこのビデオにあるような「完全な自動運転」がすぐに実現できるといった印象を与えかねませんが、こんなにも「完全な」自動運転は今すぐは実現できませんから!

今すぐ実現できない「完全な」自動運転ですが、誰もが期待しているのも事実です。

今回のテスラの発表によって、完全な自動運転を最初に提供するのは、GoogleではなくTeslaだと強く思うようになりました。その背景を少し説明したいと思います。


自動運転のフェーズをおさらい

Internet Trends 2016からの抜粋です。

自動運転車には、5つのフェーズがあります。

Teslaがの旧バージョンで提供していたAutopilotは、L2に該当します。L2とは、2つの単機能なタスクを組み合わせたやや複雑なタスクを自動化してくれるものです。このケースでは、ドライバーは常に安全運転に対して気を使う必要があります。

他方、Google Carは、L3を目指しており、ドライバーは通常時は何もしなくて良いが、非常事態の際にはいつでもハンドルをコントロールできるようになっている必要があります。L4になると、完全に自動化された自動運転車で、人間は何もしなくても安全に運転されます。

冒頭のビデオは、L3以上に該当します。

僕が「完全な自動運転を最初に提供するのは、GoogleではなくTeslaだと思う」と書いているのは、「L3以上の自動運転を最初に提供するにはTeslaだと思う」という意味です。


L2の自動運転とL3以上の自動運転は天と地ほどの差がある

L2というのは、繰り返しますが、あくまで補助的な自動化を提供する自動運転です。例えば、高速道路での「レーンの自動変更」などです。

L3以上になると、ハンドルから手を話して、人工知能に運転を任せられるというレベルになります。

この2つには雲泥の差があります。求められる信頼性にも大きな差があります。

実際、先日Tesla社で高速道路での死亡事故が起こりましたが、L2の自動運転車は、ドライバーが常に気をつけて運転していないと事故が起こり得るという前提です。

L3以上になると(緊急時を除いては)冒頭のビデオのように、車が勝手に全部の操作を(安全性を損なうことなく)自動で行ってくれます。


----------------------------

ここから先は、有料コンテンツになります。このノート単品を500円、あるいは、月額1000円のマガジンをご購入ください。有料マガジンは、1ヶ月あたり4〜8本の有料ノートが追加される予定です。

マガジンは初月無料です。月末までに解約すれば費用はかかりません。購読開始した月以降の有料記事が読めるため、月末に購読開始しても不利にはなりません。

有料版をご購入いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。

・今回のTeslaのハードウェアアップグレードの真の目的とは?
・なぜGoogleよりも先にTeslaがL3以上の自動運転を提供できると思うのか?
・おまけ: Google Carの次の一手は...

----------------------------

ここから先は

1,559字 / 1画像

¥ 500

ツイッターで決算に関する情報を発信しています。ぜひフォローしてください!