Q. リクルートの3事業のうち、利益貢献が最も大きいのは?
Q. リクルートの3事業のうち、利益貢献が最も大きいのは?
A. メディア・ソリューション事業
相変わらず決算が絶好調なリクルートですが、私の記事ではこれまであまり取り上げたことがなかったので、今日はリクルートホールディングス全体を俯瞰的に分析してみたいと思います。
株式会社リクルートホールディングス 2019年3月期 通期決算説明会(2019/5/14)
2019年3月期の通期で見ると、売上が2.3兆円 EBITDAが2,932億円と、ヤフーや楽天などのネット企業と比べても非常に大きな規模になっているだけでなく、EBITDAはいまだに二桁成長を続けていて、とても絶好調に見えます。
リクルートといえば人材ビジネスが主になるわけですが、このスライドにあるように人材マッチング事業のネット売上の規模は約8,700億円と、とてつもない規模になっています。
ネット売上で見ると、リクルートというのは明らかに人材ビジネスの会社なわけですが、利益面で見ると違った見方もできます。
このスライドにあるようにEBITDAベースで見ると、緑色の「メディアソリューション事業」が322億円とHRテクノロジーの105億円、人材派遣の136億円と比較して約2倍の規模で、最も利益を稼ぎ出している事業ということになります。
リクルートの株価はなぜ上がり続けているのか?
リクルートは決算だけではなく株価も絶好調です。ヤフーや楽天が株価という点では苦しんでいるのに対し、リクルートの株価は綺麗に右肩上がりを続けているように見えます。
右肩上がりの株価を維持できている背景を決算資料の中から探っていたのですが、一番強い印象に残ったのは「ROE15%を目指す」と言う高い資本効率性です。
馴染みのない方のために記載しておくと、ROE(アールオーイー)は、Return On Equityの略で日本語では「自己資本利益率」と表されます。投資額に対してどれだけ効率的に利益を獲得したかを表す指標で、当期利益(経常利益を使う場合もあります)を自己資本の平均値で除した数値です。
リクルートのビジネスというのは、いずれの事業も大きな資本が必要がないビジネスであるため、ROEを高くしやすいということが投資家から見た場合に最も魅力的に見えるのではないでしょうか。
リクルートの3事業に共通するビジネスモデル
今回のリクルートの決算資料は、これまでの決算資料の中でも会社の特徴を端的に表すスライドが多く含まれています。その中でも特にこのスライドが、リクルートという会社を最も分かりやすく説明してくれるものだと思います。
リクルートのほとんどのビジネスは、このスライドにあるように左側の「個人ユーザー」と右側の「企業」のクライアントをマッチングさせるマーケットプレイス型のビジネスモデルになります。
マーケットプレイスビジネスにおいては、マッチングの精度が全てを決めることになります。ここに書かれているように「テクノロジーをしっかりと活用して、マッチング精度を極限まで上げていくことで勝ってきている」というのがリクルートのビジネスになります。
今回はリクルートが展開している3事業の特徴と、それぞれの事業の今後の見どころを整理していきたいと思います。
この記事は、マーケットプレイス型のビジネスを展開されている方、人材系あるいは販売促進型のビジネスを展開されている方、リクルートの大ファンという方に最適な内容となっています。
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・#1 HRテクノロジー事業の見どころ: ●●●●
・#2 人材派遣事業の見どころ: ●●●●と●●●●
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