見出し画像

Q. コロナ禍でDXを加速させたNIKEのオンライン経由の売上は?

新着記事をTwitterやLINEでお届けします。以下のURLからご登録ください。
Twitter:https://twitter.com/irnote
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40pap3801g

----------------------------

A. オンライン経由の売上は四半期あたり約$900M(約900億円)で、全体の30%を占める。
全体に占めるオンライン経由の売上は、前年同期比で10ポイント上昇

今日の記事では、スポーツシューズ・ウェアのナンバーワンブランドであるNIKEが先日発表した、2021年第1四半期決算(20年6月〜8月)の決算から、コロナ禍でも力強く成長しているNIKEのオンラインビジネスに注目して見ていきたいと思います。

*NIKE, INC. REPORTS FISCAL 2021 FIRST QUARTER RESULTS ( 2020/9/22 )

*PREPARED REMARKS / UNOFFICIAL TRANSCRIPT – Q1FY21 NIKE, Inc.( 2020/9/22 ) 

画像1

NIKEの20年6〜8月の四半期売上高は前年同期比(YoY)−1%の約$10.6B(約1兆600億円)、四半期営業利益はYoY−3%の$4.7B(約4,700億円)でした。

コロナにより多くのスポーツが開催されていない状況で、スポーツシューズやウェアを中心に販売しているNIKEが前年とほぼ変わらぬ売上・利益を確保しているのは、素晴らしい結果だと思います。

画像2

上図の一番下に記載されているトータルNIKEブランドで、アイテム別の為替レートを除外した売上を見てみると、シューズの売上がYoY+5%でブランド収入の約7割弱を占めています。シューズに次いで売上が高いのはアパレル(ウェアなど)で約3割弱の売上となっています。しかし、アパレルの売上はYoY−7%と減少しています。

今回の四半期決算(2020年6月−8月)の売上を地域別で見ると、

・北米 : YoY -1%
・ヨーロッパ・中東・アフリカ :YoY +5%
・中国: YoY +8%
・アジア・南米 :YoY -12%

北米はYoYで微減、アジア・南米は落ち込みましたが、その分、ヨーロッパ・中東・アフリカ、中国の売上増でカバーしたという結果です。


NIKEのDXがコロナ禍の決算に与えた大きなプラスの影響

画像3

Our Digital business grew 83% in Q1 on a currency neutral basis and, as John mentioned, Digital across owned and partner now represents over 30% of our total business, up more than 10 points of share versus the prior year. But more importantly, we saw tremendous momentum in the measures of success that matter most to create scale and drive long term profitability.

「この第1四半期決算では、オウンドメディア(自社メディア)のオンライン経由の売上がYoY+83%と急成長を遂げ、ビジネス全体の30%以上、前年比で10ポイント以上増加しました。しかし更に重要なのは、オンラインの加速により、事業を拡大し長期的に収益を創る上で最も大切な成功指標に勢いがあったことです。」と語っています。

この決算書からの読み取れるように、NIKEはオンラインの売上を伸ばすことを重要な指標としており、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進こそが、事業を拡大し、長期的な収益を創る鍵だと考えています。

This quarter, our owned digital channel grew 83% on a currency-neutral basis, driving almost $900 million of incremental revenue versus the prior year and an acceleration versus the prior quarter even as our doors at retail reopened.

「前年同期の四半期あたりのオンライン売上と比較して、今四半期の売上は$900M(約900億円)増加しました。直前の四半期よりオンライン売上の成長率が高くなっています。」と書かれており、オンラインによる売上の勢いが加速していることが分かります。

These include member engagement and owned digital market share. In Q1, Nike active members increased nearly 60% with even higher growth in buying members. We also drove strong double-digit growth in contactable members.

「NIKEのオウンドメディアのアクティブメンバー数はYoY+約60%で成長しており、購買メンバー数はこれを上回ります。連絡先を登録しているメンバー数も2桁成長を遂げています。」

コロナ禍で多くのスポーツ関連企業が業績不振に喘ぐ中、今回のNIKEの決算を見てきて、NIKEはDXに注力したことで、オンライン売上を伸ばし、多くのメンバーを獲得することに成功したことがわかりました。

記事の後半では、NIKEのDXの取り組みを垣間見れる3つの例と、DXを加速することでNIKEが得られる3つの戦略的なメリットについて書いていきたいと思います。

この記事は、オウンドメディアをご担当されている方、自社のDXを加速したいと考えている方、コロナ禍で深刻な影響を受けているアパレル業界の方に最適な内容になっています。

----------------------------

ここから先は、有料コンテンツになります。このノート単品を500円、あるいは、月額1000円のマガジンをご購入ください。有料マガジンは、1ヶ月あたり4本程度の有料ノートが追加される予定です。

マガジンは初月無料です。月末までに解約すれば費用はかかりません。購読開始した月以降の有料記事が読めるため、月末に購読開始しても不利にはなりません。

有料版をご購入いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。

・NIKEのDXの取り組みが垣間見れる3つの例
・(NIKEにとっての)DXによる3つの戦略的なメリット

ここから先は

4,012字 / 4画像

¥ 500

ツイッターで決算に関する情報を発信しています。ぜひフォローしてください!