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Q. 新規上場のサーキュレーション、プロシェアリング事業を急成長させるためのKPIは?

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ヒント:サーキュレーションの売上は、「プロジェクト件数」と「プロジェクトあたりの平均請求金額(単価)」で決まりますが、サーキュレーションならではの経営指標の考え方があるので、この2つの掛け算のみを指標にはしていません。

この記事はゆべしさんとの共同制作です。

本日は、2021年7月27日に東証マザーズに上場した、企業向けに特定の業務に精通したプロ人材のシェアリング事業を展開する株式会社サーキュレーションについて見ていきます。

サーキュレーションは、上場直前期の2020年7月期は赤字決算でしたが、売上は創業からCAGR(年平均成長率)+72.7%という驚異的な成長を遂げており、2021年7月期は黒字化を見込んでいます。また、サーキュレーションの上場初値は公募価格比+77.1%の3,205円で、時価総額は約260億円をつけ、類似企業のランサーズやビザスクを上回る時価総額となりました。

今回の記事では、急成長中のサーキュレーションの目論見書と成長可能性に関する資料から、プロシェアリングの市場規模、サーキュレーションの事業内容、今後更なる成長に重要となるKPIを考察・深堀りします。

また、最後にサーキュレーションの事業と類似したクラウドソーシング・スキルシェア事業を展開するクラウドワークス・ランサーズ・ビザスク・ココナラと各種KPIを比較することで、サーキュレーションの特徴を定量的にも分析していきます。

スキルシェア市場や、クラウドソーシング、人材シェアリング等の領域に興味のある方には、特に必見の記事になっているので、是非ご覧ください。


プロシェアリング市場

サーキュレーション有価証券届出書(新規公開時)(2021年6月18日)

サーキュレーション事業計画及び成長可能性に関する説明資料(2021年7月27日)

サーキュレーション東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ(2021年7月27日)

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まずはサーキュレーションが事業を展開するプロシェアリング市場を整理します。

プロシェアリングの市場規模は、サーキュレーションの試算によると約9,400億円で、これは国内ビジネスコンサルティングの経済規模4,800億円の約2倍にあたります。

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次に、プロシェアリングは、派遣・アルバイトや正社員ではなく、より専門性を持ったプロ人材(=高度な経営課題を解決できる人材)に絞っていることが特徴です。

これまでプロ人材を獲得するためには、ヘッドハンティングによる”採用”が中心でしたが、組織に流動性を持たせたい企業や、雇用リスクを減らしたい企業が増えたことで、”採用”ではなく、”スキルシェアリング”のニーズが高まっています。

サーキュレーションは、この「プロ人材×スキルシェア」という目立った競合が少ないブルーオーシャン領域で、シェア拡大を進めています。


サーキュレーションの事業内容

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次にサーキュレーションの事業内容を整理します。

サーキュレーションは、上図のようにプロ人材17,116名(2021年4月末時点)と協業し、法人向けに各経営テーマに応じて、「経営に準ずる課題」、「DX、先端技術課題」、「新規事業アイデア創出」、「事業承継/M&A」の4つのサービスを展開しています。いずれのサービスも月額制で、契約期間は3〜12ヶ月間です。


サーキュレーションの決算

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次に、サーキュレーションの決算情報を見ていきます。売上は、2021年7月期で54.5億円(YoY+36.4%)を見込んでおり、創業以来CAGR(年平均成長率)は+72.7%です。

経常利益を見ると、前期(2020年7月期)は事業拡大や管理部門強化に伴う人件費の増加と、TVCM等の広告宣伝費に係る先行投資の増加で、▲1.39億円と赤字でした。

一方で、2021年7月期の経常利益は、前述した売上の急成長に加え、人件費は微増を見込むものの、広告宣伝費含むマーケティング費用を抑制することで4.38億円と、黒字転換を見込んでいます。


プロジェクト件数の成長

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次に、累積稼働プロジェクト数は2021年7月期3Q時点で8,005件です。仮に、累積稼働プロジェクト数の前年比増加分が、その年の新規プロジェクト数とした場合、各年の新規プロジェクト数は拡大傾向であることが分かります。

●前年比増加分のプロジェクト数
2018年7月期:2,267件(前年比+1,075件)
2019年7月期:3,842件(前年比+1,575件)
2020年7月期:5,891件(前年比+2,049件)
2021年7月期3Q(9ヶ月間):8,005件(前年比+2,114件)

これまで順調にプロジェクト件数を伸ばしてきていますが、直近の成長に関しては、前述の2020年7月期のTVCM等の先行投資もその一因だと言えるでしょう。マーケティング費用を抑制している今期やそれ以降に、どれだけのプロジェクト数を獲得できるかに注目です。

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サーキュレーションの売上を分解すると、次のようになります。

売上=プロジェクト件数×プロジェクトあたりの平均請求金額(単価)

それぞれの指標の推移を見ると、1稼働プロジェクトあたりの平均請求金額は47万円〜48万円で横ばい傾向です。一方で、月次平均稼働プロジェクト件数は増加していることから、結果的に前述のような売上成長となっていることが分かります。

ここまで、プロシェアリング市場を俯瞰し、サーキュレーションの展開事業や決算情報・KPIを整理してきました。

記事の後半では、サーキュレーションのプロシェアリング事業を急成長させる重要KPIの考察に加え、サーキュレーションと類似した事業を展開するクラウドワークス・ランサーズ・ビザスク・ココナラとのKPI比較を行うことで、サーキュレーションの特徴を深く分析していきます。

この記事は、スキルシェアサービスに従事する方や、スキルシェア系サービス5社の比較に興味がある方、企業の成長戦略に関心がある方に最適な内容になっています。

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・サーキュレーションの成長戦略
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