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手数料無料化発表のSBI証券、野村證券・ロビンフッドとの比較から見える次の収益源は?

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A. 野村證券の1口座あたりの信託報酬額はSBI証券の18.96倍あり、米国の無料証券アプリロビンフッドは注文フローの受け渡しによる収益が約半数。
これらは、SBI証券にとって未来の収益源候補。

この記事はゲストライターとの共同制作です。


 SBI証券の株式取引手数料が収益全体に占める割合は?

初めにSBI証券の収益全体において、株式取引手数料(委託手数料)の占める割合を確認していきましょう。

2020年3月期 第2四半期SBIホールディングス株式会社 決算説明会 プレゼンテーション資料

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上図のように、SBI証券の収益全体における株式取引手数料の割合は「23.2%」となっています。

この割合は、ここ数年で下落傾向にあり、さらに他証券会社との比較では低水準となっていることから、SBI証券が株式手数料に依存しないビジネスモデルを以前から模索してきたことが分かります。

ただ、とはいえ、収益の2割以上を占めるとなれば、経営インパクトとしては決して無視できないものです。

SBI証券の株式手数料無料化は3カ年計画として発表されていますが、この3年間のうちに、何らかの別の収益源を作っていく必要があります。


 証券ビジネスの「フロー型」から「ストック型」への転換の動き

では、なぜSBI証券は、そのような収益の柱を自ら捨ててまで手数料無料化を発表したのでしょうか?

その背景には、証券ビジネスの「フロー型」から「ストック型」への転換の動きがあります。

その代表格は、米国の手数料無料の証券アプリ「ロビンフッド」です。

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ロビンフッドは、ミレニアル世代を中心に人気を博しており、これまでに$912m(約1,000億円)を調達し、バリュエーションは$7.6b(約8,360億円)に達しています。

また、米国大手証券会社のチャールズ・シュワブもオンライン取引の手数料無料化を行うなど、米国の証券ビジネスにおいて、取引手数料という「フロー型」の収益に頼らないモデルが台頭してきています。

国内でも、SBI証券の手数料無料化発表の後になりますが、2019年末に、楽天証券、マネックス証券などの主要オンライン証券各社が部分的な無料化を次々と発表しています。

このように、国内外で手数料無料化の動きは急ピッチで進んでいます。

ただ、証券ビジネスにおいては、取引手数料による収益がなくなっても、投資信託等の金融商品の残高に応じて「信託報酬」という形で「ストック型」の収益を得ることができます。

つまり、これらの動きは「フロー型」からの脱却であると共に、「ストック型」への転換の動きとみることができるわけです。


 SBI証券の株式委託手数料(フロー型)に対する信託報酬(ストック型)の割合は?

現在のSBI証券における、「フロー型」の株式委託手数料に対する「ストック型」の信託報酬額の割合を見てみましょう。

株式委託手数料 134.2億円
投資信託信託報酬額 24.7億円
→ 割合 18.40%
(2020年3月期上半期)

このように、2020年3月期上半期においては、まだ「フロー型」の株式委託手数料の割合が大幅に上回っている状態です。


 SBI証券と野村證券の信託報酬額の差は何倍?

では、ここで国内の証券会社のベンチマークとして、野村證券との比較を見てみましょう。

野村證券は、「顧客預かり資産」など様々な指標において国内No.1の規模感となっている、言わずと知れた証券会社です。

その野村証券とSBI証券の信託報酬額を比較すると、以下のようになります。

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野村ホールディングス株式会社 2020年3月期第2四半期決算説明資料

このように、野村證券の信託報酬額はSBI証券の18.96倍もの規模となっています。

これは、SBI証券にとって大きな成長余地と言えるかもしれません。

では、これだけの大きな差は何によってもたらされているのでしょうか?

この記事は、FinTechに携わっている方、様々な収益化手法に興味のある方、証券会社の未来のビジネスモデルに関心がある方に最適な内容になっています。


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・野村證券とのユニットエコノミクスの比較
・SBI証券が「ストック型」収益を上げるために重要な変数は?
・野村證券の持つリテール証券としての強みとは?
・SBI証券の「ストック型」収益を引き上げる「第4のメガバンク構想」
・米国の手数料無料証券アプリ「ロビンフッド」の儲けのカラクリ
・「SBIネオモバイル証券」による若者ユーザー獲得は収益源となりうるか?
・まとめ

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