Q. 高齢者施設見守りSaaSエコナビスタ、1施設あたりの売上は?
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エコナビスタは、高齢者施設見守りSaaSを提供する会社です。今後訪れる超高齢化社会にマッチする事業ということで注目されており、2023年7月26日に東証グロース市場への上場を予定しています。
エコナビスタは、一般的な知名度はそこまで高くはないかもしれませんが、2022年10月期
(2021年11月〜2022年10月)の売上成長率はYoY+60%を超えています。また、ハードウェア+SaaSのモデルとしても注目です。
今回の記事では、前半にエコナビスタのビジネス概要や業績、記後半に国内の他SasS企業との比較からエコナビスタのビジネスの強さや今後の戦略を考察していきます。
エコナビスタは高齢社会にマッチしたHardware+SaaS
エコナビスタは、大阪市立大学医学研究科教授であり、現取締役会長の梶本修身氏によって2009年11月に設立された、大阪市立大学医学部疲労医学講座発のベンチャー企業です。
エコナビスタは、梶本氏の「医療とテクノロジーをかけ合わせて社会課題を解決したい」という思いから創業しており、介護事業向けのDX支援サービスを展開しています。
梶本氏は、2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」研究統括責任者を担当したり、30万本以上のヒットを記録したニンテンドーDS脳トレゲーム「アタマスキャン」の監修ならびにその技術の元となった「Advanced Trail Making Test」というテストを総医研と共同開発するなど、この分野で長年活躍されています。
エコナビスタでは、2003年から2006年にかけて梶本氏が中心となって推進した「疲労定量化及び抗疲労食品開発プロジェクト」の研究成果等を応用した技術を元にし、主力となるサービスを開発しました。
加えて、特徴の異なる複数のセンサを統合し、全体で高い性能を発揮する「センサフュージョン技術」と「睡眠データ解析技術」を活用しながら、睡眠・生活習慣のビックデータと解析技術を生かしたソリューションを展開しています。
エコナビスタは、超高齢社会の進展に伴い、現実的な課題が山積する介護業界を中心にDXのアプローチをする「ライフリズムナビ事業」を主力事業としています。
また事業領域を限定しない価値創造型の事業として、ビッグデータ解析技術に基づいた社会課題解決のための研究開発や一部既存のホームオートメーション案件の受託をしている「受託研究開発事業」も展開しています。
ライフリズムナビ事業は、睡眠解析技術をベースにしたSaaS型高齢者施設見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」とライフリズムナビ+Dr.のサービス運営で培ったノウハウを一般のご家庭の在宅介護に最適化した「ライフリズムナビ+HOME」があります。
エコナビスタでは、ライフリズムナビ事業に用いるソフトウェアだけでなく、ハードウェアも自社で開発しており、技術的なノウハウや生産体制の確立には投資も行っています。
それによって、業界初の独自の睡眠センサー等も提供しているため、自社での開発ならびに生産体制は、ライフリズムナビ事業の競合優位性にも繋がっています。
上図は、ライフリズムナビ+Dr.のシステム全体像です。
ライフリズムナビ+Dr.のシステムは、睡眠センサー・人感センサー・ドアのあけしめセンサー等の基本的なセンサーに加えて、ニーズに合わせてアドオンでバイタル計測器等からデータを収集して、クラウド上で蓄積します。
蓄積されたデータは、必要に応じて介護施設のスタッフに通知や介護の見守り業務の効率化に役立てられており、介護施設の生産性を向上させています。
エコナビスタでは、ライフリズムナビ+Dr.を導入した施設の生産性について調査事例があり、介護施設のスタッフが1人削減できたり、残業時間が約89%削減された結果があり、これから迎える高齢化社会に向けて意義深いサービスであるといえるでしょう。
エコナビスタの業績
上図は、エコナビスタの売上の推移です。
2023年10月期Q2(2022年11月〜4月)までの売上は8.3億円となっており、前期が8.9億円であることを踏まえると、2023年10月期通期も右肩上がりで成長すると考えられます。
2023年10月期Q2(2022年11月〜4月)までの営業利益率は、50.5%と高水準です。
2023年10月期の途中ではありますが、同じ水準で推移すると、YoY+48.9%になり、売上の成長に伴って営業利益率が大きく改善していると言えます。
次に、事業別での売上の構成比を見ていきます。
2023年10月期Q2(2022年11月〜4月)までだと、ライフリズムナビ事業の売上構成比が92.6%を占めています。
2023年10月期のQ2(2022年11月〜4月)の受託研究事業の売上構成比売上は7.4%と、前年と比べると、3.2ポイント減少していますが、ライフリズムナビ事業にリソースを集中させるために、案件の制限をしているため、エコナビスタの意図どおりの結果になっていると考えられます。
つまり、売上の観点からも、ライフリズムナビ事業は、売上の柱であり、さらなる成長を期待されていると推測することができます。
ここまでは、エコナビスタの事業内容や業績について見てきました。記事の後半では、国内の他SasS企業と比較しながら、エコナビスタのビジネスの深掘りや今後の戦略を考察していきます。
この記事は、SaaSビジネスに従事している方や興味がある方はもちろん、企業の成長戦略に関心がある方に最適な内容になっています。
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