しばQ: Criteoってどんな会社?伸びる会社ですか?

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Q. Criteoってどんな会社?伸びる会社ですか?

従兄弟がCriteoという会社に転職しました。ヤフーに広告配信できる唯一の第三者?とか言うのでなんか凄そうなのですが、私だけかもしれませんが今まで存在すら知らなかったので、大丈夫なの…?と心配もしています。柴田さんから見て面白い会社だとor成長する会社だと思いますか?


A. Criteoは急成長中のAd Tech(アドテク)の会社です。ただし強敵が2社ほどいます。

Criteoはグローバルで急成長しているアドテクの会社です。アドテクとは、ネット上での広告配信や広告の流通に必要な技術のことを指します。

グローバルなアドテクの会社というと、シリコンバレーの会社と思われがちですが、Criteoはフランス本社の会社です。

2017年1月から3月期の決算を簡単に見てみたいと思います。

* Criteo Reports Strong Results For The First Quarter 2017(2017/5/3)


第一四半期の広告の取扱高は合計で$517M(約517億円)となっており、地域別で見ても北米、ヨーロッパ、アジアと綺麗に分散しています。
メディアへの支払後のネット売上の地域合算は、四半期で$210M(約210億円)という規模の会社です。
成長率を見ると、為替の影響を除外したコンスタントカレンシーベース(表の一番右列)で、グロス売上(広告取扱高)、ネット売上ともに、前年同期プラス30%と大きく成長していることが分かります。

ダイナミックリターゲティングに特化したテクノロジー企業

Criteoがいったいどんな会社なのかを、Criteoが投資家向けに発表している「Investor Presentation」という資料から、もう少し詳しく見てみたいと思います。


この図の左上にあるように、Criteoが最も得意とするのは「ダイナミックリターゲティング」と呼ばれる広告商品です。


ダイナミックリターゲティングというのは何かというのを簡単に説明します。

とあるECサイトが広告主であるという想定してみてください。

そのECサイトに掲載されている商品の購入を検討しているユーザーがサイトを閲覧しましたが、閲覧だけでユーザーはその場では購入しませんでした。この閲覧履歴からCriteoはそのユーザーが特定の商品に関心があるという情報を取得し、そのECサイトの外で、最も購入に結びつくように最適化しながらその商品の広告を出します。

何かの商品やサービスを検索したり閲覧した後に、全くその商品と関係のないサイトでニュース記事やブログなどを読んでいる時に、閲覧した商品やサービス、さらにそれらに似た商品やサービスの広告が表示されて、「あれ?」と感じる経験をした方は多いと思います。これがダイナミック李ターゲティングです。

このように、あるユーザーが特定の商品に関心を持っているという情報を使って、Criteoの広告ネットワーク内での一人一人の履歴を分析して表示方法を自動で変えるなどの広告配信最適化を通じて、購入へのコンバージョン(成果)を上げるというテクノロジーをCriteoは有しています。


この会社がユニークなのは、四半期あたり975社の広告主が純増しているという成長スピードだけではなく、84%の広告主と直取引しており、90%以上の広告主が継続的にCriteoに広告を出稿しているという点にあります。

さらに驚きなのは、78%の売上は「広告予算無制限」の広告主からもたらされているという点です。「広告予算無制限」とは、広告主が広告によって増加した売上の●%分とか、新規申し込み1件に対して●円という「顧客獲得単価」の維持をCriteoに指示します。「顧客獲得単価」は成果によって変動するものなので、これを維持する限り、成果が出ていないのに広告の総額が増えるということはありませんが、成果が増えれば増えるだけ自動的に広告費用の総額が増加する。というのが「広告予算無制限」の考え方です。広告が売上に直接比例する場合は、予算の上限を設定する必要さえないということです。

この図にあるように、グローバルで有名な15,000社以上の多くのブランドがクライアントになっています。

最強の競合2社との競合

一方で市場環境は厳しいとも言えます。

四半期あたり$210M(約210億円)、年換算すると約$800M(約800億円)のネット売上がある会社ですが、時価総額は約$3B(約3,000億円)とネット売上の4倍弱しかありません。
つまり投資家から見ると将来の成長性に若干の疑問符が付いているとも言えます。

その最大の理由はGoogle、Facebookとの競合関係にあります。


アメリカではオンラインの広告の75%以上はGoogleとFacebookの2社に占有されています。また広告業界の成長のうち85%がGoogle、Facebookの2社によるものです。

つまり北米の広告市場においてはGoogleとFacebookは広告市場全体よりも早く成長しており、それ以外のプレイヤーは市場の成長速度よりも遅くしか成長できていない。つまり毎年市場シェアを減らしている状況にあります。

現時点でGoogleの成長スピードは前年同期+20%。Facebookの成長スピードは+62%となっています。

Criteoがこの2社と同じか、それよりも速いスピードで成長できるかどうかという点が投資家が一番気にしている点だと言えます。

以上をまとめると、Criteoは非常にユニークなテクノロジーを持ち、急成長中の広告の企業であることは間違いありませんが、今後はGoogleやFacebookと比較され、その2社との成長スピードでの戦いが待ち受けているというのが現状だと言えるでしょう。

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