Q. 採用DXのワンキャリアが新規上場、今後の成長を加速させる3つの方向性とは?
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Q. 採用DXのワンキャリアが新規上場、今後の成長を加速させる3つの方向性とは?

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ヒント:ワンキャリアの保有するキャリアデータは、様々な領域に横展開できます。

この記事は沼幹太さんとの共同制作です。

本日、2021年10月7日に株式会社ワンキャリアは、東証マザーズに上場予定です。

ワンキャリアは「人の数だけキャリアを作る」をミッションに掲げ、2015年の創業以来、採用メディア「ONE CAREER」などを中心に、これまで主に新卒採用領域にてサービスを展開してきました。

新卒採用市場については、ご経験されている方もいらっしゃると思いますが、数年前までリクナビ、マイナビなど大手サービスが盤石な体制を築いており、これら2つのサービスに登録し、大量エントリーを行うのがスタンダードでした。

ところが、今回ご紹介するワンキャリアは、数年前より急速に存在感を見せはじめ、今ではリクナビやマイナビを脅かす勢いで急成長しています。

HR総研・楽天みん就(楽天が運営する新卒口コミサイト)が実施した「2022年卒学生の就職活動動向調査」によると、「もっともよく活用する就職サイト」第二位としてリクナビと同水準、あるいはそれを上回る存在になってきています。

そして今回、ワンキャリアは創業6年目という短期間で東証マザーズに上場することとなりました。

今回の記事ではワンキャリア急成長の要因を探るとともに、今後の成長を加速するためのポテンシャルについて、その方向性を大きく3つの観点から考察します。


ワンキャリアの事業内容

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ワンキャリアは採用活動、人事業務のDX推進を支援するべく「キャリアデータプラットフォーム」事業を単一セグメントで展開しています。

また、「キャリアデータプラットフォーム」事業は「採用DX支援サービス」にあたる「求人メディア」事業、「採用ソリューション」事業、「その他サービス」にあたる「マーケティングアライアンス」事業、「中途採用」事業より構成されます。

・求人メディア事業:「ONE CAREER」を活用した会社情報や求人広告を掲載
・採用ソリューション事業:自社保有データを活用した採用コンサルティングなどを提供
・マーケティングアライアンス:「ONE CAREER」上の求職者会員を提携サービスに送客するサービス
・中途採用事業:中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」上にて求人広告やダイレクトリクルーティングを提供

収益の入り口は主に2種類あり、採用活動を行う企業に対するサービス提供に対する対価としての収益と、アライアンス・パートナー(他社のHRサービス)への送客手数料による収益から構成されています。

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こちらは「ONECAREER」への求人掲載や自社他社評価、学生の動向などが閲覧可能な「ONE CAREER CLOUD」の料金体系になります。

フリー、ライト、スタンダードの3つのプランから成り、主に掲載可能なイベント数(フリー・ライトでは1件、スタンダードでは5件)や外部サービスとの接続有無によりプランを選択します。

ここに別途求人掲載料金が加算される仕組みで、以下リンクより資料をダウンロードした方に限り公開をしています。


ワンキャリアが保有するデータ

ワンキャリアが保有するデータは、求職者の企業への興味・評価傾向などの「求職者に関するキャリアデータ」と、企業の選考方法や採用基準などの「企業に関するキャリアデータ」の2種類に大別されます。

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2021年12月期Q2時点で、新卒採用領域の就職活動の体験情報に関するキャリアデータが45.5万件、中途採用領域の同データを8千件を保有しています。

体験情報とは、エントリーシートの設問内容や面接での質問内容や雰囲気、想定される評価項目などの選考体験のデータを指します。ワンキャリアは例年就活生に対し、Amazonギフト券の配布などをインセンティブに選考体験記などのデータを収集しています。

この豊富にストックされた選考情報などの体験データが、求職者が「ONE CAREER」を利用する大きな引力となっています。

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採用ソリューション事業ではこれまで蓄積した膨大なキャリアデータを活用して、人事担当者の新卒採用を支援しています。

現状、キャリアデータを保有している求職者会員数は89万6,621名、体験情報や求人情報などのキャリアデータを保有している企業は10,522社となっています。

このデータを利用し、競合他社の採用の実態や自社企業の採用活動の評判を知るなど、効果的に採用手法を改善することができます。


ワンキャリアの決算

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2020年12月期の通期売上は13.3億円となりました。また、2021年12月期予想は18.6億円と公表されており、YoY+39.7%の成長予想となります。

経常利益は2021年6月期の半期の結果が既に前年度の決算と比較し+355%の3億2,912万円を記録しており、既に飛躍的な伸びを見せています。

(補足:あくまで推測ですが、今期(第7期)の経常利益の飛躍的な伸びの背景には、上場時に利益が出ていることを見せたいという意図があるのかもしれません。)

また2020年、2021年と堅調に売上を伸ばしている要因として、オンラインでの採用活動の活発化が考えられます。

実際にワンキャリアはオンラインでの企業説明会を開催するなど、オンラインシフトに対応をしています。


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ワンキャリアのサービスの多くは新卒就活生が対象であるため、四半期の売上は学生の就職活動のスケジュールによって変動します。

新卒採用において企業と学生のやりとりが活発化する4-6月(第2四半期)や10-12月(第4四半期)に売上が偏る傾向にあります。

直近の決算でも2020年10-12月(第4四半期)が4.37億円の売上、2021年4-6月(第2四半期)が6.58億円の売上だったのに対し、2020年7-9月(第4四半期)の売上が2.04億円、2021年1-3月(第3四半期)が3.7億円と顕著に売上の差が出ています。

(補足:昨今の新卒就活市場は早期化の傾向を見せており、4-6月は大学4年(大学院2年)の本選考に加えて大学3年(大学院1年)の夏インターン選考が同時進行で進んでおり、10-12月には外資企業やベンチャー企業を中心に大学3年(大学院1年)の本選考が開始されています。)


他の新卒サービスと売上比較

では、同業界の他企業でもワンキャリアのような季節性による売上の変動が発生するのでしょうか?

この疑問を検証するべく、今回は次の2社と売上、時期別売上比の比較をしてみます。

※リクナビ・マイナビは売上が非公開であるため、今回はワンキャリアと比較的規模の近いかつ新卒採用事業をメインとした2社を選出しました。

・学情:新卒向けダイレクトリクルーティング「あさがくナビ」やオフライン就活イベント「就活博」などの運営企業
・i-plug:新卒採用向けのダイレクトリクルーティングサービス「Offerbox」などの運営企業

学情の「あさがくナビ」はサイト掲載料金や学生へのスカウトメール、バナー広告などで売上をあげるビジネスで、i-plugの「Offerbox」はダイレクトリクルーティングと呼ばれる企業側から求職者側に直接スカウトを送付し、採用や面談等に繋がった成果報酬を獲得するビジネスモデルを採用しています。


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通期の売上を四半期ごとに見ると、ワンキャリアは4-6月と10-12月に寄っていますが、学情は10-12月以外の期間に満遍なく売上をあげており、i-plugについては4-6月に売上が下がっているものの、その他の期間は比較的季節性が出ていません。

これは、両社のターゲット学生の就活スケジュールによるものと考えられます。学情の「あさがくナビ」は中小企業志望の学生がメインターゲットであり、i-plugのOfferboxは比較的学歴上位校の利用を想定したサービスとなっています。

よってあくまで予想ですが、学情の売上は10-12月に低下しているところを見ると、大学3年(大学院1年)の1-3月や大学4年の4-6月,7-9月の高倍率企業の選考が終わり中小企業などの選考が集中する少々遅めの時期に、サイトへの広告掲載や企業からのオファー送付を強化しているのではないでしょうか。

一方i-plugの場合は4-6月の売上低下を見るに、優秀層にアプローチしたい大手企業やベンチャー企業が早期に利用をし、大量囲い込みが始まる4-6月頃の就活本格化時期には利用頻度が低下していることが考えられます。

以上より、季節性による売上の変動は見られたものの、ターゲット学生の動向やサービスの提供形態により、売上が変動する時期は異なることがわかります。

ここまで前半では、ワンキャリアの事業内容や強みとなる保有データに関する解説、また直近の決算状況や他社比較を交えた就活サービスの季節要因の売上変動について考察してきました。

後半では、ワンキャリアの今後の成長を加速させる3つの方向性について、各種KPIを深堀りしながら考察をしていきます。

この記事は、ワンキャリアの新規上場に関心がある方、新卒就活領域/採用メディア領域のビジネスに関心がある方、KPIの分解を用いた決算分析手法に関心がある方に最適な内容になっています。

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