見出し画像

コロナ禍で米Amazonのコマース売上成長率が他のコマース企業よりも早いのはナゼ?

新着記事をTwitterやLINEでお届けします。以下のURLからご登録ください。
Twitter: https://twitter.com/irnote
LINE: https://line.me/R/ti/p/%40pap3801g

----------------------------

私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


Amazon 2021年度第1四半期決算の印象は?

画像2

ーー(Asako)皆さん、こんにちは。今日は、Amazonの2021年度第1四半期の決算書をシバタさんと一緒に読んでいきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いします。

画像3

画像4

ーーまず、全体の数字です。2021年度第1四半期の売上(Net Sales)が$108B(約10.8兆円)で前年同期比+44%、また営業利益(Operating Income)は$8B(約8千億円)で前年同期比+122%となっています。

画像4

ーー次に、Amazonの重要指標であるフリーキャッシュフローを見てみると、$26B(約2.6兆円)で前年同期比+9%となっています。全体的に力強い決算だったと思いますが、シバタさんの今回の全体的な印象はいかがでしょうか。

(シバタナオキ)売上に相当するNet Salesが前年同期比+44%というのは、売上が$100B(約10兆円)規模の会社としては異常な成長だと思います。

特にコマースのところは当然コロナで追い風だったことはありますが、$100B(約10兆円)規模の会社が+44%で成長するというのは人類史上今まで見たことがないのではないかと、そのぐらい驚異的な成長だと思います。


Amazonの業績が伸びた要因は?

画像5

ーー続いて、セグメント別の数字を見ていきます。コマースのところ、オンラインストアの売上が$52B(5.2兆円)で前年同期比+41%、店舗の売上が$3B(約3千億円)で前年同期比-16%、サードパーティーセラーが$23B(約2.3兆円)で前年同期比+60%となっており、店舗の売上が少し落ち込んでいるが、オンラインストア、サードパーティーセラーの両方で引き続き力強い成長が見られたのが印象的でした。

画像6

ーー競合の状況を見ると、マーケットプレイスであるeBayの収益が$3B(約3千億円)で前年同期比+42%でした。これと比較すると、やはりAmazonは規模に対する成長率が高いと思いました。ここまでAmazonが伸びている要因はどこにありますか?

一言で言うと、規模の経済という話です。品揃え、Amazonプライムを含めた物流サービス、そこに対する過去の累計の投資額やマーケティングを含めて、他の会社が追い付けない規模になってしまっているのが現状だと思います。

アメリカでは、Eコマースの領域はAmazonの市場シェアが30~40%ぐらいで独占状態で、2位を大きく引き離して圧倒的な1位です。他の会社が新しいことをしてAmazonに追いつくというのはなかなか難しい規模まできていますし、Amazonはその稼いだお金を惜しみなく投資をしていく会社なので、それによってさらに追いつくのが難しくなっている感じです。

とにかく「規模が大きくなることで勝ちやすくなる」というビジネスを徹底的に行っているので、まさに規模の経済で勝っていると個人的には思います。


第3四半期以降の数字予想は?

画像7

ーー今後の見通しのところに関して、昨年ほとんどの国でプライムデーが10月に行われたのに対して、今年は6月に実施されていたので、第2四半期に関しても前年同期比で売上が伸びてきそうな気がします。第3四半期以降の数字について、シバタさんはどのように予想しますか。

プライムデーに関しては、10月、11月に実施する場合もあれば、6月に実施する場合もあります。なぜ今年は6月に実施したのかは分かりませんが、もしかすると、また第3四半期にあるかもしれません。

第3四半期以降の数字もたぶん伸びるとは思いますが、上図で、例えばオンラインストアの2019年第4四半期の売上を見ると、前年同期比の伸びは+15%になっています。コロナの前までは、Amazonの伸び率は直販が+15%程度、サードパーティーのマーケットプレイスも+30%程度だったのです。

これがコロナで急に伸び率が伸びている状況ですが、当然、コロナが終わった後は今のように+40%や+60%の成長率にはならないと思います。もっと低くなると思いますので、どれぐらい鈍化するのかをきちんと見ておく必要があると思います。

繰り返しますが、コロナ禍でEコマースはかなり追い風を受けていたのは間違いありません。ただ、コロナ禍でEコマースを今までより使うようになった人も「買い物はEコマースでいい」となっている人も結構いると思います。そのため、いきなり大きく落ちることはないものの、多少は鈍化すると推察します。それがどのぐらい鈍化するのかをきちんと見極めていく必要があると思います。


----------------------------

ここから先は、有料コンテンツになります。このノート単品を500円、あるいは、月額1,000円のマガジンをご購入ください。有料マガジンは、1ヶ月あたり4〜8本程度の有料ノートが追加される予定です。

マガジンは初月無料です。月末までに解約すれば費用はかかりません。購読開始した月以降の有料記事が読めるため、月末に購読開始しても不利にはなりません。

有料版をご購入いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。

・気になったサービスは?
・スポーツのライブ配信は差別化要素になりえるか?
・AWS数値について注目すべきポイントは?
・広告領域は高い成長を維持できるか?
・注目すべきポイントは?
・まとめ

ここから先は

4,771字 / 11画像

¥ 500

ツイッターで決算に関する情報を発信しています。ぜひフォローしてください!