Yahoo!(Zホールディングス)とLINEの提携は、なぜ買収ではなく経営統合になったのか?
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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。
この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。
今回の決算の印象は?
ーー(Risa)皆さんこんにちは。今回は3月、遂にLINEとの経営統合を完了し、新たなスタートを切ろうとしている、Zホールディングスの2020年度第3四半期の決算をシバタさんに解説して頂きます。
ーー第3四半期の連結業績営業利益は、前年同期比−8.1%だったものの、売上収益、EBITDAベースの利益では、共に前年同期比がプラスに伸びていました。
ーー今回の決算の全体の印象を教えて下さい。
(シバタナオキ)第3四半期で売上が3,000億円を超えており、年に換算すると1.2兆円の規模です。売上が前年同期比+14.9%なのは、本当にすごいの一言に尽きます。
EBITDAの伸びもそれに伴っているので、文字通り絶好調だったのではないでしょうか。
楽天の取引高成長率が高い要因は?
ーーZホールディングスの主な事業セグメントは、ヤフオク、PayPayフリマ、ZOZO、アスクル、金融などのコマース事業と、広告収入や電子書籍などのメディア事業があります。
ーーまずは、売上の大部分を占めているコマース事業から見ていきましょう。ショッピング事業を順当に伸ばしているのが伺えます。
ーー第3四半期はかなり販促費を投下しているようです。競合である楽天の取扱高成長率(前年同期比+38.5%)の方が高い要因を教えて下さい。
楽天の方がGMVの前年同期比が高いのは結構意外です。コロナの前までは、ずっとYahoo!の方が成長率が高かったので。
Yahoo!のショッピング事業の取扱高は、前年同期比+33.7%と十分高いです。そのためYahoo!が失敗したというよりは、楽天がすごかったという見方が正しい気がします。
重要KPIをどう解釈したら良いのでしょうか?
ーー色々な指標で説明されている中でも、「ショッピング広告テイクレート&販促活動費比率」の部分が、経営陣にとって重要なKPIであると推測出来ます。
ーー第3四半期の比率をどのように解釈したら良いのでしょうか。
ショッピング広告テイクレートは、取扱高が100あった場合、つまりユーザーが100円分の買い物をした時に、100のうちのどのくらいの割合がYahoo!に入ってくるか、ということです。
その下の販促活動費比率は、100の取扱高を生み出すために、いくら広告宣伝費を使ったかを表しています。
S&M費用よりもテイクレートの方が大きいことを表しているグラフなのですが、これはショッピング事業が、ユニットエコノミクス単位で黒字であることの証明になっています。
Yahoo!ショッピングというと、昔からかなり派手にお金をばらまくようなイメージがありますが、そうではなく、きちんと黒字になっていることを意味するグラフなのです。
ーーなるほど。ありがとうございます。
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