クラウドワークスとラクスルの決算資料が神レベルな件
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今日の記事では、ラクスルとクラウドワークスの2社の、決算資料の素晴らしさについて語ってみたいと思います。
私は趣味で、ほぼ全てのネット企業の決算資料を読み込んでいますが、今回の四半期決算の決算説明会資料でこの2社が圧倒的に優れている点があったので、ご紹介したいと思います。
単に決算や数字の読み方だけではなく、事業を構造的に因数分解して捉える、という点でも非常に勉強になるかと思いますので、是非楽しみにご覧頂ければと思います。
初めに、ラクスルの決算を見てみましょう。
事業KPIの因数分解(ラクスル)
今回、特に注目したいのがこのスライドです。
「企業価値の源泉」というタイトルがついているスライドですが、顧客からの信頼が、売上高によって表現され、その売上高は、
売上高 = 顧客数 x 購入回数 x 単価
という方程式で表すことが出来ます。
売上総利益率というのは顧客やサプライヤーへの付加価値である、と定義されており、売上総利益率を上げるためには、サービスを高付加価値化したり、原価低減や、サプライヤーの生産性向上に寄与する必要がある、と明確に定義されています。
そして、後半に出てくるこのスライドでは、上で説明された方程式のそれぞれのKPIが、どのように変化しているのか、というのが明示されています。
そしてそれらのKPIが改善された結果、売上が年間112億円でYoY+45.6%、売上総利益が28億円でYoY+58.8%という結果に繋がった
というわけです。
テイクレートに相当する売上総利益率は24.7%と、YoY+2%の増加になっており、こちらも大きく改善していると言えるでしょう。
事業KPIを因数分解して開示するメリット・デメリット
冒頭にも書きましたが、私は色々な決算資料をくまなく見ていますが、ここまで詳細なKPIが公開されることは非常に稀です。
このように事業KPIを因数分解して詳細に開示するメリットというのは、何と言っても投資家の安心感に繋がるからだと言えるでしょう。
それだけではなく、外部に対して、ここまで精緻な数字を公開できるということは、内部管理においてもかなりしっかりしたKPI管理体制が整っているとも言えますので、内部統制をきちんとして機動力を上げる、という意味でも、外部に公開するというプレッシャーはプラスに働くケースも多いのではないかと思います。
ここまで詳細なKPIを公開するデメリットというのも挙げておくと、一番のデメリットは恐らく、競合に対して自社の数字が丸裸になってしまう、という点なのではないでしょうか。
更には、今回のラクスルの決算のように、事業が好調な時は詳細に公開してもあまり大きな問題にはなりませんが、事業というのは必ずしもいつもうまくいくわけではありませんので、不調になった時に、これらの KPIを公開続けなければならないというのは、大きなマイナスにもなります。
以上、ラクスルの事業KPIの因数分解を詳しく見てみましたが、以下では、クラウドワークスの決算資料も詳しく見てみたいと思います。
個人的な印象ですが、クラウドワークスの決算資料は、ラクスル以上に大胆にいろんな数字を公開しており、上場企業の経営者の方だけではなく、スタートアップの方も、KPI の因数分解という点で学ぶことが多いかと思いますので、興味がある方は是非ご覧ください。
クラウドワークスに関しては、事業 KPI以外にも、更に二つほど非常に勉強になるデータが開示されているので、こちらも紹介したいと思います。
この記事は、大企業スタートアップの経営者の方、事業管理、経営企画などを担当されている方、KPI管理を担当されている方、KPI管理に困っている方に役立つ内容になっています。
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