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Q. SaaSビジネスで最強のSales Efficiencyを得る方法とは?

Q. SaaSビジネスで最強のSales Efficiencyを得る方法とは?

A. 最初は中小規模の顧客にセルフサーブで販売し、徐々に大企業にシフトすること。

今日の記事では、SaaS ビジネスで最強のSales Efficiencyを得る方法を、詳しく勉強してみたいと思います。

なぜこの記事を書こうかと思ったかと言うと、トーマスさんのブログで以下の記事があったのですが、とても素晴らしい内容で、これは日本の読者の方にも紹介した方が良いと思ったので、解説を加えながら詳しく見ていきたいと思います。

今回の記事はかなり難しい、詳細なSaaSビジネスの話が出てきますので、上級編だと思って下さい。

How to Develop Best in Class Sales Efficiency

「Sales Efficiency」というのは、100の営業マーケティングコストを投下した場合に、翌年の1年間でどのぐらいの売上が上がるのか、という比率を表したものです。

例えば、現在の四半期で100万円の営業・マーケティングコストをかけたとして、翌四半期から1年間の間に150万円の売上が上がったら、Sales Efficiencyは150%という計算になります。

この数字が大きければ大きいほど、営業マーケティング効率が高い、良いということになります。


ここ数年間の間にIPをしたアメリカの会社でSales Efficiencyが高い会社というのは、ここにあるような会社になります。

*図中の左側の表記は、アメリカの証券取引所で使われているティッカーコード(日本の証券番号のような符号)で記載されています。サービス名や社名を短縮した表記になっていることが多く、TEAM = Atlassian、ZM = Zoom、TWLO = Twilio、SK = Slack、NEWR = New Relicのそれぞれの企業を表しています。

これらの会社に共通するのは、大企業の中でまずは小さな組織の中から使われ始めて、徐々に利用者が拡大していく、という流れを経ているという点です。


SaaSでもう一つ大事なKPI: Net Dollar Retention

SaaSビジネスを理解する上で非常に重要なのは、Net Dollar Retentionと呼ばれるKPIです。

Net Dollar Retentionとは、1年前に獲得した顧客からの、1年前時点での売上と、現時点での売上の比率のことです。
この数字が100を超えている場合、1年前に獲得した顧客からの売上が、時間が経つにつれて増えていっている、という意味になります。
1年前に獲得した顧客からのうち何社かは、1年間の間に解約などが起こるわけですが、解約分を補うだけのアクセルができていれば、この数字が100を超えることになります。

Net Dollar Retentionが大きいビジネスというのは、このSlackの例のように、「昔に獲得した顧客」からの売上(各色)が、右肩上がりに上がっていくビジネスです。


具体例で考えてみましょう

少し分かりにくいかもしれないので、具体例で考えてみましょう。

仮にARR(Anualized Recurring Revenue, 年換算した継続課金売上)が$100M(約100億円)の会社があったとします。この会社は年間50%ずつ成長していると仮定しましょう。つまり今年$100M(約100億円)の売上の会社が、来年$150M(約150億円)に、$50M(約50億円)だけ売上が増えることになります。

Net Dollar Retentionが130%である場合は、売上増加分の$50M(約50億円)のうち、$30M(約30億円)分は、既存顧客からの売上増によって増えることになります。

残りの$20M(約20億円)が新規顧客からの売上となるわけですが、例えば一人当たりの営業マンの年間売上目標が$1M(約1億円)で達成率が70%だとすると、30人の営業マンが必要になることになります。

一方でNet Dollar Retentionが110%である場合、$50M(約50億円)の売上増加分のうち、$40M(約40億円)が新規顧客からもたらされることになるので、売上目標が年間売上目標が$1M(約1億円)で達成率が70%の営業マンが58人必要となります。

つまりNet Dollar Retentionが20%違うだけで、同じ売上成長に必要な営業マンの数がほぼ倍になります。

つまり2倍の営業マーケティング費用が必要になり、Sales Efficiencyは半分になるというわけです。

以下では、Sales Efficiency、Net Dollar Retention、顧客単価営業マーケティング費用比率などを、詳しく見ていきたいと思います

トーマスさんの英語のブログが自分で読める方は購読する必要がないかと思いますし、とても読みやすい英語の記事だとも思いますので、自分で英語を読みたいという方はこの記事を購入せずに、ご自身で現文をご覧下さい。

この記事は、SaaSビジネスを担当されている方、SaaSビジネスに投資をしている投資家の方に役立つ内容になっています。


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・事実その1: Sales Efficiencyが高い会社は、顧客単価が小さい
・事実その2: Sales Efficiencyが高い会社は、Net Dollar Retentionも高い
・事実その3: Net Dollar Retentionが高い会社は、営業・マーケティング費用比率が低い
・まとめ

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