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DeNAに学ぶ事業撤退のタイミング

最近、DeNAが2つの事業の「撤退」を発表しました。

一つ目は、アメリカのゲーム子会社を解散・清算です。

この「ゲーム子会社」というのは、旧ngmocoで2010年に$400m(400億円)で買収した会社です。

二つ目は、「DeNAショッピング」などを約63億円で譲渡、というニュースです。

DeNAショッピングは、DeNA社の創業時の最初のコア事業でもあり、これを売却するというのは勇気がいる判断だったのではないかと思います。


事業撤退の難しさ

大企業でもスタートアップでも、何か新しい事業を始めるというのはもちろん大変で、成功させるのはもっと大変な訳ですが、それらとは全く違う次元で大変なのが「事業撤退」の意思決定です。

経験されたことがある方はご存知かと思いますが、こういう場合は特に判断が難しくなります。

#1 過去に大きな投資をしてしまって、投資回収が終わっていない事業
#2 (急成長はしていないけれど)利益が出ている事業

北米子会社の閉鎖というのは、#1に該当するかと思います。以前に400億円もの巨額投資をして、それ以降(ほぼ)黒字になっていないわけです。客観的に見れば、投資額を回収できる見込みは非常に低かった訳です。

直近の決算を見ても、欧米(左のグラフの薄い緑)は減少傾向を続けており、赤字が解消される気配はありませんでした。

他方、そういった状況でも、当時の400億円の投資を決めた人がまだ経営陣に残っている状態で、その事業を閉鎖するというのは、非常に勇気がいることなんだと思います。

ショッピング事業の譲渡に関しては、↑の#2に該当すると思います。そのまま継続保有していれば、それなりに安定的に利益を産む事業ではある反面、現在の市場環境を見れば、楽天市場とアマゾンだけではなく、ヤフーショッピングが凄まじい投資を続ける中で、成長できるか、と問われると厳しいわけです。

実際、ショッピングの売上は、右側のグラフの薄い緑にあるように、ほぼフラットです。事業譲渡額の63億円という額はDeNA社にしてみれば大きい額ではありませんし、年売上が50億円もある事業を63億円で売却する訳ですから、マルチプル的にも(売り手にとって)良い条件だったとは言えないでしょう。


前置きが長くなりましたが、この2つの「撤退」の意思決定が、なぜこのタイミングで行われたのか、というのがずっと分からなかったのですが、今回の決算を見て「なぜ今?」の理由が分かったので、それを少し書いてみたいと思います。

繰り返しますが、事業撤退のタイミングというのは非常に難しく、タイミングを間違えると(特に上場企業の場合)株価にも大きく影響しますし、それ以外にも社員のモチベーションにも大きく影響します。

なぜこのタイミングでそういった決断ができたのかという背景を、今回の今回のDeNAの「英断」ケースから学んでいきましょう。


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・なぜこのタイミングで2つの事業の「撤退」を決めることができたのか?
・北米ゲーム拠点撤退を決めることができた理由(推測)
・ショッピング事業の撤退を決めることができた理由(推測)
・まとめ: DeNAから学ぶ「撤退術」

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