Q. iPhoneとサムスンGalaxyの製造原価率が高いのはどちら?
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ヒント:日本の製造業の企業と比較すると、両社の製造原価率は低く(≒売上総利益率は高く)設計されています。
この記事はゆべしさんとの共同制作です。
先日公開した記事で、D2Cの主要プレーヤーであるWarby ParkerとAllbirdsの分析をした際に、「売上総利益率が60%超である」ことがD2Cの成功要因の1つであると考察しました。残り2つの成功要因についても考察しているので、もしよろしければご覧ください。
ここで、AppleはiPhoneやMac等の自社製品を、提携先の企業経由に加えて、自社ECやApple Store経由でも顧客に提供しているため、ビジネスモデル上はD2C企業と捉えることができます。
本日は、そんな世界最大規模のD2C企業であるAppleについて、主力製品であるiPhoneの最新シリーズ「iPhone 13 Pro」と、競合であるサムスンのGalaxyシリーズ「Galaxy S21+」を比較しながら、各端末の製造原価率を見ていきます。
この記事では、1ドル=100円($1 = 100円)、1,000ウォン=0.90ドル(KRW1,000 = $0.90)として、日本円も併せて記載しています。
Appleの売上総利益率
Apple Inc. Consolidated Financial Statements(2021年7月27日)
まずは、Appleの決算内容から見ていきます。Appleの売上や売上原価は、以下の2つのセグメントで構成されています。
(1) Products : iPhoneやiPad、Mac等のハードウェア製品
(2) Services : Apple MusicやApple Care等のサービス
iPhoneが属するProductsセグメントに注目すると、2021年3Q(2021年4-6月)の3ヶ月間の売上は$64B(約6.4兆円)でYoY+37.4%、売上原価は$41B(約4.1兆円)でYoY+14.6%、売上総利益率は36%です。
上のグラフは、シバタが提供しているKPIデータベースからAppleのProductsセグメントの業績を時系列で抜き出して整理したものです。2021年1Q以降の売上総利益率が高い水準で維持しているのは、iPhoneやiPad等の販売数量の増加や為替レート等が関係しているためです。
iPhone 13 Proの製造原価率
TechInsights did a costs analysis breakdown of the new iPhone 13 Pro, finding that due to higher component costs related to the improved camera, A15 Bionic chip, ProMotion displays, and presumably the large battery, the newest iPhone costs $570 to build
引用:iPhone 13 Pro Costs Around $20 More to Build Compared to the iPhone 12 Pro, Despite Being the Same Price for the Customer
次に、iPhone 13 Proの製造原価を見ていきます。TechInsightsの調査では、256GBのiPhone 13 Proの1端末あたりの製造原価は$570(約57,000円)と推計されています。
また、256GBのiPhone 13 Proの発売価格は、$1,099(約10.99万円)のため、iPhone 13 Proの1端末あたりの製造原価率は51.8%と推計されます。
ここまで、2021年4-6月のAppleのProductsセグメントの決算内容や、iPhone 13 Proの発売価格、製造原価、製造原価率について見てきました。記事の後半では、iPhone 13 Proと昨年発売のiPhone 12 Proや、サムスンのGalaxy S21+との製造原価の比較を行い、各製品の特徴を見ていきます。
この記事は、情報通信業界の方だけでなく、D2Cビジネスに関心がある方にもおすすめの内容となっています。
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