ヤフーの「第三の矢」であるFintech事業が発射準備完了になった模様
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今日はヤフーの2017年9月~12月期の四半期決算を振り返りたいと思います。
決算の開示直前にヤフーから重要なリリースが出ました。
このリリースは、昨年より準備を進めていたジャパンネット銀行の連結子会化がついに完了したという内容になっています。
今日はこの点をしっかり踏まえた上で、ヤフーの二つの大きな既存事業である「広告事業」と「EC事業」にプラスして「Fintech事業」がヤフーの第三の矢になるであろうという話をしたいと思います。
では決算資料から既存事業の主な進捗を見ていきましょう。
*ヤフー株式会社 2017年度第3四半期 決算説明会(2018/2/2)
全体としては四半期の売上が2,307億円で前年同期比+4.3%と成長率が落ち着いてきていることが分かります。
広告ビジネスの成長率
広告ビジネスの四半期の売上は778億円で前年同期比+7%の成長です。
スマートフォン広告の四半期売上が前年同期比で+15%に伸びていることを考えると、PCの広告売上が減っている分をスマホの広告売上の増加で補うことで、全体で+7%になっているということになります。
日本ではスマートフォンの普及は一段落していると考えるのが自然ですので、今後はユーザー数の増加というより、広告をよりリッチ化してパーソナライズすることで広告単価を上げていく戦略になるのではないかと考えられます。
ECビジネスの成長率
ECビジネスを手がける「ショッピング事業」を見てみると、四半期での取扱高が前年同期で+28%の1,804億円にまで増えてきています。
ショッピングの取扱高に連動する形でショッピング広告の四半期での売上高が前年同期比+32%の77億円まで成長しました。
ショッピング広告のテイクレートを計算すると4%に満たない数字になりますので、今後はこの数字を楽天並み(9%台)に高めていくことになるのではないでしょうか。
Fintechビジネスの成長率
Fintechの中でも成長率が一番高いのはクレジットカード事業で、クレジットカードの有効会員数は前年同期比+30%の442万人と大きく成長しています。
クレジットカードの取扱高は前年同期比+50%で2,618億円まで増えました。
このようにFintech事業の中でもクレジットカードビジネスは高い成長率を誇っているわけですが、楽天カードの会員数は既に1,500万人を突破しており、それと比べるとまだ1/3以下の規模に過ぎません。
ヤフーの既存の会員基盤の大きさを考えるとEコマースだけではなく、このFintech部分も非常に大きな伸び代があると考えるのが自然なわけですが、これまでクレジットカード事業を拡大するだけでも実は相当な財務的な負担がありました。
これまで何度か似たテーマを取り上げたことがあるので、昔から読んでいただいてる方にはあのことか!と思い出していただけるかもしれませんが、改めてその話を書いてみたいと思います。
この話はヤフー特有の話ではなく、Fintechの中でもお金を預かったり、貸したりするビジネスに共通するテーマになります。
これから既存のビジネスにFintechを絡めて新規事業を構築したい方、すでにFintechビジネスに携わっている方に役立つ内容になっているのではないかと思います。
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