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Q.新卒採用メディア4社が考える成長戦略の3つの方向性とは?

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ヒント:●●への進出、●●への進出、●●提供の3つの成長戦略がある

この記事は沼幹太さんと編集部の共同制作です。

新卒の就活市場は数年前まではリクナビ、マイナビが圧倒的存在で、多くの学生が活用していました。しかし、近年そのトレンドに変化が起きています。

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上図はHR総研と楽天みん就(楽天の口コミサービス)が2021年卒、22年卒の学生に向けて行った「文系学生が1年を通して最も利用した就職サイト」の調査結果です。

HR総研×楽天みん就:2022年卒学生の就職活動動向調査(6月) 結果報告【就職活動編】

ONE CAREERがリクナビを抜いて2位に浮上しています。

また、利用者の比率は低いものの、口コミサービスの「Openwork」や外資系に特化した「外資就活ドットコム」、逆求人サービスの「Offer Box」、「Iroots」など、新興メディアが利用されていることがわかります。

中途採用ではハイクラス層に特化したものや、ダイレクトリクルーティングサービスが多く生まれていますが、新卒採用においても、特化型や逆求人などニーズの細分化が起こっています。

今日はここ数年で頭角を表した新卒採用サービスの成長企業にスポットをあてて、成長要因と今後の戦略を考察します。


新卒採用市場で頭角を表す新卒メディア企業4社

新卒採用サービスを提供しており、上場している以下の4社を調べてみました。括弧内は提供サービスです。

株式会社ワンキャリア(ONECAREER他)
株式会社ハウテレビジョン(外資就活ドットコム他)
株式会社i-plug(Offer Box他)
スローガン株式会社(Goodfind他)

以下は、それぞれの会社の概要です。

ワンキャリア
・2015年8月創業
・2021年10月上場
・新卒向けの就活メディア「ONE CAREER」が中核事業で、その他に中途向けサービスや法人向けサービスを提供
ハウテレビジョン
・2010年2月創業
・2019年4月上場
・外資・日系のトップ企業への就職を目指す学生向けの就職活動サイト「外資就活ドットコム」を運営
i-plug
・2012年4月創業
・2021年3月上場
・企業から学生に直接オファーを送ることができる新卒特化のダイレクトリクルーティングサービス「Offer Box」を運営
スローガン
・2005年10月創業
・2021年11月上場
・新産業領域向け求人プラットフォーム「Goodfind」を中心として、若手人材に向けたメディア「FastGrow」やSaaSサービスなどを運営

ハウテレビジョン以外の3社は2021年上場で、上場からまだ1年程度しか経過していません。上場で調達した資金を活用することで、これから大きく成長していくベンチャーであることも注目です。


新興新卒採用メディア企業4社の決算

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まずは各社の直前決算期の四半期売上と売上成長率(前年同期比)を比較してみましょう。

四半期売上、売上成長率ともにワンキャリアが9.9億円(YoY +51.0%)と圧倒的でした。他の3社の売上規模は近しいですが、売上成長率ではハウテレビジョンがYoY +43%と大きく抜きん出ています。

一方で、i-plug、スローガンは他の2社と比較すると売上成長率がやや停滞しているように見えます。

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次に主要KPIである累計法人顧客数と求職者会員数を比較してみましょう。

法人顧客数は、i-plugが11,499社と最も多く、次ぐワンキャリアの約10倍です。主要プロダクトである「Offer Box」は様々な学歴や志向を持った学生が登録しているため、他3社と比較しても利用企業の幅が広いことが想像されます。

一方で、i-plugの法人顧客数は「登録企業数」を指しており、採用時の成功報酬プランのみを利用している顧客が含まれている可能性が高いことには注意が必要です。

他3社の中では、累計法人顧客数と累計求職者会員数ともにワンキャリアが法人顧客数、成長率ともに秀でていることがわかります。売上の成長率も圧倒的だったので当然ではあるものの、成長率もYoY +60%を超えており驚異的な成長を遂げています。

なお、求職者数を公開しているのはワンキャリア、ハウテレビジョンの2社でした。

ここから、それぞれの企業の成長要因および停滞している要因について見てみましょう。


ワンキャリア高成長の要因:キャリアデータを活用した採用コンテンツにより就活生の7割超を囲い込み

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ワンキャリアは自身のサービスを「キャリアデータプラットフォーム」と定義しており、仕事選びの意思決定に必要な情報をまとめて提供しています。

具体的には企業の選考プロセスにおける体験談や、その企業の社員がどのようなキャリア志向を持っているかといった情報も集めています。これらは企業発信の中心情報が中心の他メディアでは提供されない唯一無二の情報です。

ワンキャリアは求職者の活動データ、企業の採⽤データを指すキャリアデータを保有しており、これらを基に就活生を集客しています。

ここ数年の大学生・大学院生卒の就活生の母数が約40万人の中で、ワンキャリアは2021年6月から1年間で新たに31.4万人の求職者を集客しています。

一部は2021年6月にリリースした中途メディアの求職者数が含まれていると考えられますが、大部分を新卒が占めると仮定すると、就活生の7割程度を集客できていることになります。

また冒頭のアンケート「文系学生が1年を通して最も利用した就職サイト」でも2位に選ばれている点から、利用学生のアクティブ率も高いことが伺えます。学生は複数サービスに登録していると予想されますが、アクティブ率が高い=メインで活用している可能性は高いです。

このようにして求職者会員数が増えることで、ネットワーク効果が働き、法人顧客数の増加にも繋がっていると思われます。結果的に高い成長率を実現しているのでしょう。


ハウテレビジョン高成長の要因:スカウト機能の追加/中途サービスでのマッチング数の増加

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ハウテレビジョンは、累計法人顧客数の成長率がYoY+21.6%と、ワンキャリアのYoY +60.6%、i-plugのYoY +31.4%に比べて劣っています。累積求職者数の成長率もYoY+16.2%と高くない一方で、売上成長率はYoY +43%と高成長を実現しています。

この高成長要因は、昨年度より新たに開始したスカウト機能です。2021年10月、「外資就活ドットコム」に学生にスカウトを送ることができる機能が実装されました。

上図の下のグラフがスカウト承諾数です。承諾数が急成長しており、累積スカウト数は2022年7月時点で22,091回となっています。このアップセルが大きな要因で、売上成長率が高くなっています。

ハイクラスな学生への特化型なので、累計法人顧客数や累積求職者数よりも、このように一部の企業から支持され、他サービスに比べて高単価となることがあるべき姿ということができるでしょう。

ここまで、ワンキャリア、ハウテレビジョン、i-plug、スローガンの4社について、会社概要、直近の決算情報、成長している2社の要因をまとめました。

記事の後半では、やや成長が停滞している2社の要因と、今後の成長戦略の3つの方向性を考察しています。

この記事は、採用サービスに関心のある方、HRテックに関心のある方、採用業務に携わっている方や関心がある方に最適な内容になっています。

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・Q.新卒採用メディア4社が考える成長戦略の3つの方向性とは?の答え
・i-plugが顧客数の成長のわりに売上が伸びていない理由
・スローガンの売上成長率が他社に比べて控えめな理由
・今後の成長戦略 #1:●●への進出
・今後の成長戦略 #2:●●への進出
・今後の成長戦略 #3:●●提供
・まとめ

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