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格安な海外送金を可能にするTransferWiseのビジネスモデル

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今日の記事では、海外送金を格安で行えるようにするTransferWiseを取り上げてみたいと思います。

皆さんは、海外送金をされたことがありますか?海外送金というのは実はとても手数料が高くつきます。

海外送金シミュレーター

例えば、日本からアメリカに$100(約10,000円)分を送金しようとすると、楽天銀行の場合、手数料を含めて13,057円かかることになります。

手数料の内訳を見てみると、送金手数料が750円、海外中継銀行手数料が1,000円、そして為替レートが113.07円となっています。

これを計算した時点では$1=112.07円のタイミングでのシミュレーション結果になりますが、為替手数料も合わせて考えると、手数料が合計で1,850円かかっていることになります。

$100(約10,000円) = 11,207円なので、1,850円の手数料は実に16.5%にもなります。

このように、比較的少額の金額を海外送金しようとすると手数料がとても割高にかかるというのが海外送金です。


TransferWiseの例

一方で、同じ$100(約10,000円) を、TransferWiseで日本からアメリカに送金しようとすると、いくらかかるのでしょうか。

TransferWiseの手数料

これを見れば分かるように、実際に必要な金額は11,368円です。楽天銀行の場合と比べて、1,689円節約出来ていることになります。

$100(約10,000円)= 11,207円なので、手数料は162円、送金額の1.4%で済んでいることになります。

TransferWiseの手数料は、円からドルへの送金の場合、送金一回につき、送金額の0.55%と固定費100円がかかります。

TransferWiseは、通常の銀行と比べて圧倒的に低い手数料で送金が可能になっているわけですが、一体どのような仕組みでこれを実現しているのでしょうか。


TransferWiseの仕組みとビジネスモデル

この図が分かりやすいので、簡単に説明してみたいと思います。

左側にいるドイツのユーザーが、右側にいるイギリスのユーザーに送金をしたいとします。

通常の場合であれば、ドイツの銀行からイギリスの銀行へ海外送金をすることになりますが、TransferWiseの場合は、ドイツのユーザーがドイツの国内にあるTransferWiseの銀行口座に送金を行います。

すると、受取人であるイギリスのユーザーには、イギリス国内のTransferWiseの銀行口座から入金が行われます。

TransferWiseは、このような海外送金を行うユーザーをたくさん抱えているため、実際には反対向きの、イギリスからドイツへの海外送金を行うユーザーもいるため、実際にドイツとイギリスの間の海外送金を行わずに、バーター取引を成立させることが可能です。それによって、大きな手数料をユーザーから取ることなく、安価な海外送金を実現しているというわけです。


取扱高・売上

TransferWiseはまだ上場していない会社ですが、いくつか財務情報が公開され始めたので、取扱高と売上を簡単に整理してみたいと思います。

Fintech start-up TransferWise reports second year of profit, revenue almost doubles

2016年度の売上: £66M($85M)(約85億円)
2017年度の売上: £117M($151M)(約151億円)
ユーザー数: 400万ユーザー
取扱高: 月間$3.9B(約3,900億円)= 年間$46.8B(約4兆6,800億円)

これ以外にも、2017年度は税引き後の純利益が$8M(約8億円)あったと報告されていますし、ユーザー数は過去12ヶ月間で2倍になったとも言われています。

非常にヴァイラルに成長しやすいプロダクトの性質というのもあるかと思いますが、既に黒字化されていて、ユーザー数も年間100%の成長というのは、とても絶好調だと言えるのではないでしょうか。

以下では、TransferWiseのテイクレートとユニットエコノミクスを分析し、同社の成功要因を考察してみたいと思います。

この記事はフィンテックビジネスに興味がある方既存の金融機関で働かれている方海外とのクロスボーダー取引に関心がある方に役立つ内容になっています。


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・TransferWiseの成功要因

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