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Q.社員9人でNASDAQ上場のWarrantee。無料保険の何が凄いのか?

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ヒント:●●全てが得をするビジネスモデルであり、●●を受けないので、世界中に展開出来るビジネスモデルであること

この記事はhikoさん(企画・リサーチ担当)とmasmさん(ライティング担当)との共同制作です。

2022年2月、大阪に本社を置く、社員数わずか9人の株式会社Warrantee(ワランティ)が、日本の株式市場を飛び越えアメリカのNASDAQ市場に上場申請を提出し、2022年6月30日に上場が承認されました。

Warranteeは、フリーインシュアランス(無料保険)事業という、一般的にあまり聞き馴染みのないビジネスを展開している企業です。

今回の記事では、Warranteeが展開するフリーインシュアランスとはどのような事業なのか、従来の保険ビジネスとの違いなどを分析し、フリーインシュアランスの凄さや可能性について深掘りしていきます。

この記事では、1ドル=100円($1 = 100円)として、日本円も併せて記載しています。


Warranteeの会社概要

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まず、Warranteeの会社概要について整理していきます。

Warranteeは、創業者であり現CEOの庄野裕介氏が京都大学在学中に大阪市が主催するシリコンバレーのツアーに参加した際に、保証書の電子化事業をプレゼンしたところ、出資が決まったことが企業のきっかけになりました。

設立当初の2013年に出資を受けた保証書の電子化事業をスタートさせ、その後2017年にはオンデマンド(必要な時だけの)保険事業を開始、翌年の2018年からフリーインシュアランス事業を展開しています。
さらに2019年には、ヘルスケア商品、検査、高額治療を無料提供するフリーヘルスケア事業も開始しています。

2021年にはフリーインシュアランス事業の特許権を取得し、保険大国であるアメリカでビジネスを展開するためにニューヨーク、シリコンバレーにオフィスを開設しました。
今回のNASDAQ上場によって、さらに知名度を高めて世界展開を目指しています。


Warranteeの事業概要

続いて、Warranteeの事業概要を整理していきます。
Warranteeの現在の主な事業は、「フリーインシュアランス事業」と「フリーヘルスケア事業」の2つです。

・フリーインシュアランス

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通常の保険は、加入しているユーザーが保険料を支払って加入しますが、Warranteeのフリーインシュアランスは、損害保険(モノに対する保証)を無料提供する代わりに、保険加入時に、名前や住所などスポンサー企業が求める情報を共有することを条件にユーザーが無料で保険に加入できるサービスです。

製品やサービスを提供するメーカーは、マーケティング情報の対価として、スポンサーフィー(協賛金)をWarranteeに支払うことで、ユーザーの保険料を無料にできる仕組みです。

・フリーヘルスケア

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フリーヘルスケア事業は、医療機器や治療などを無償提供するサービスです。
フリーインシュアランス事業とほぼ同じ仕組みで、メーカーなどの企業がスポンサーとなり、ユーザーはマーケティング情報を提供します。企業の協賛金によってユーザーの治療費などを捻出する仕組みとなっています。

Warrantee自体がフリーインシュアランス事業の保険や保証、フリーヘルスケア事業の医療機器や治療を提供しているわけではなく、保険会社やクリニックなどの協力業者が提供しています。

F-1(米国市場の上場申請書)にも、Warranteeの事業は「保険事業者」ではなく「マーケティング及び市場調査テクノロジー企業」と記載されており、エンドユーザーに対してはサービスを無償化する仕組みを、スポンサーに対しては購買データやマーケティング支援を提供する事業であると言えます。


Warranteeのビジネスモデル

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Warranteeのフリーインシュアランスのビジネスモデルをさらに深掘りしてみましょう。

Warranteeのサービスは、スポンサー企業、エンドユーザー(法人も含む)、Warranteeの3つのステークホルダーから構成されています。前述した通り、Warranteeは保険事業者ではないため、保険機能は外部の保険会社に対してWarranteeが委託しています。

カメラを例に各ステークホルダーの役割とサービス提供の流れを紹介します。

1:ユーザーはカメラのメーカー保証に追加する形でWarranteeの無料延長保証を選択。
対象のカメラが壊れた場合、ユーザーは修理サービスや規定の交換費用を保険金として受け取れる。

2:カメラメーカーからWarranteeにスポンサーフィーを支払い(ユーザーの保険料の原資に)

3:ユーザーは無料保険の対価として、メーカーが希望する個人情報や購買情報などのデータをWarranteeに提供

4:Warranteeは、それらの情報をメーカーの潜在顧客の購買パターンやマーケティング戦略の立案に必要なデータとしてメーカーに提供

このように、それぞれのステークホルダーのニーズにマッチしたビジネスモデルとなっています。

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1つの事例として、ダイキンとセンチュリー21へのサービスを見てみましょう。

賃貸アパート・マンションの経営には、住宅設備機器の経年劣化による故障がつきものです。特にエアコンは1台10万円前後のコストがかかるため、大きな負担となっています。

そこでWarranteeはエアコンメーカーのダイキンがスポンサーになり、エアコンが故障した場合は無料で修理や新品へ交換するとフリーインシュアランスサービスを、センチュリー21のオーナー向けに提供するキャンペーンを実施しています。

オーナーは住宅設備機器の経年劣化によるコスト負担の軽減、入居者は新型エアコンで電気代負担の軽減、ダイキンは製品の認知拡大と長期的な利用を促進するフリーインシュアランスの好例と言えるでしょう。


Warranteeの業績

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Warrantteeの業績について確認していきます。

2021年3月期の通期売上は2.12億円、YoY+268%と急成長していますが、営業損失は28百万円と赤字となっています。
2020年3月期の営業損失は44百万円なので赤字額は縮小していますが、2021年9月30日現在の累積赤字額は4.61億円と、マーケティング投資などが先行している状況であると考えられます。

ここまで記事の前半では、Warranteeの企業概要、ビジネスモデル、業績を見てきました。

記事の後半では、従来の保険業等との比較を行い、フリーインシュアランス事業の特異な点を紐解いていきます。
また、Warranteeの今後の成長戦略についても推察していきます。

この記事は、保険事業や保証事業に携わっている方や興味がある方、上場予定企業に関心がある方、新しいビジネスモデルに興味がある方に最適な内容になっています。


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・Q.社員数9人でNASDAQ上場したWarrantee。無料保険の何が凄いのか?の答え
・従来の保険会社との違いとは?
・Warranteeの具体的な案件
・Warranteeのサービス金額の妥当性
・今後の戦略
・まとめ

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