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独断と偏見で選ぶ決算資料がイケてるTop 3社(経営者・IR担当者必見!?)

8本目です。これまでいろいろな会社の決算について書いてきましたが、日本のネット企業で決算資料がイケてる会社を独断と偏見で選んでみたいと思います。

最初に注記。あくまで私が独断と偏見で選んでいるだけです。私の判断が必ずしも正しいとは限りませんのでご注意ください。また、決算の結果(そりゃ業績が良いほうが良いですよね)ではなく、「決算資料の出来具合」を評価対象としています。


イケてない決算資料の特徴

上場企業にとって、決算とは、投資家とのコミュニケーションです。会社に投資してくれている投資家に対して、過去の実績を説明すると共に、将来展望を語る機会とも言えます。

まず「イケてる決算資料」を見る前に、逆の「イケてない決算資料」とはどういうものなのでしょうか?独断と偏見でこれは止めて欲しい、という内容を書いてみます。


1. 累計だけでの開示は止めて欲しい

まず最初に申し上げたいのが、累計「だけ」の開示は止めて欲しいということです。例えば、第三四半期の決算を発表する場合、第三四半期までの「累計」だけを開示する企業が割とあります。

一番見たいのは、その四半期の成績であって、累計だけを開示されると、前回の決算との差分をこちらで計算せねばなりません。すごい手間です。特に日本企業の場合は、決算期が3月だったり9月だったりバラバラなので、「第x四半期」までの累計では比較困難な場合が多いです。(当四半期と累計を併記するのはアリだと思います。)

例えば、NTTドコモの例ですが、毎回「累計」しか資料に開示されず、非常に手間がかかります。


2. 主要なセグメントはまとめずに個別に開示して欲しい

次に困るのが、主要なセグメントでもあるに関わらず、他のセグメントと合算されて開示されてしまう場合です。

例えば、楽天の例では、ECとトラベルが「国内EC」として一括りで発表されています。FinTechセグメントでは、銀行、カード、証券がそれぞれ主要KPIが発表されているのに、ECとトラベルは事業別の流通総額の開示がありません。

どの粒度で開示すべきか、というのは、好みの問題でもありますが、決算資料を見る側からすると、細ければ細かいほど助かります。楽天の例では、楽天市場とチェックアウトは、ビジネス的に似ているので、まとめて開示でも納得感はありますが、楽天市場と楽天トラベルは全く違うビジネスだろう、というのが個人的な感触です。


3. 因果関係を説明しようとして欲しい

これは該当例が多数ありすぎるので、一般論として述べますが、売上・利益が増えた(減った)という情報は必ずどの決算資料でも表記されます。(当たり前ですが)

他方、なぜ売上・利益の増加(減少)が起こったのか、というのをきちんと説明している資料はあまりありません。この説明が無いと、売上(利益)の増加(減少)が一時的な要因なのか、恒常的なものなのか、改善できそうなものなのかが判断出来ません。

要は、経営者がどのように売上・利益を各KPIへ「因数分解」をして、各KPIをコントロールしようとしているのか、コントロールできているのか、というのを知りたいということです。

例えば、ゲームビジネスの場合、

売上 = MAU(月あたりのユーザー数) x ARP(MA)U(ユーザーあたりの課金額)

のように因数分解して管理するのが通常だと思いますが、それぞれのKPI(この場合、MAUとARPU)が開示されないと、中身がどうなっているのかわかりようがない、というのが現実です。

「ダメなパターン」を上述しましたが、独断と偏見で選ぶ「決算資料がイケてるTop 3社」と何がイケてると思うのかを書いていこうと思います。


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