見出し画像

アマゾン流、「大企業病」を避けるための4つの意思決定ルール

以前、「アマゾンの株主へのレターを読み解く」というnoteを書いたところ、大変好評だったので、今年も書いてみたいと思います。

アマゾンの株主へのレターは非常に示唆に富むものが多く、毎年楽しみにしている人が多いのではないかと思います。


社長の席があるビルは常に「Day 1」という名前

今年の株主へのレターは冒頭で以下のように始まります。
“Jeff, what does Day 2 look like?”
That’s a question I just got at our most recent all-hands meeting. I’ve been reminding people that it’s Day 1 for a couple of decades. I work in an Amazon building named Day 1, and when I moved buildings, I took the name with me. I spend time thinking about this topic.
“Day 2 is stasis. Followed by irrelevance. Followed by excruciating, painful decline. Followed by death. And that is why it is always Day 1.

”過去20年間、私は従業員に、毎日がDay 1すなわち「初日」であると伝え続けてきたが、先日の全社会議で「Day 2をどう定義するか?」という質問があった。私のオフィスはどこに移転しても常に「Day 1」という名称にし、このテーマについて思いを巡らせてきた。Day 2とは、閉塞、的外れ、辛い衰退、そして死。だからこそ常に「Day 1」であるべきである。


なんとアマゾンでは、CEOのジェフ・ベゾスの席があるビルは、常に「Day 1」という名前を付けているそうです。CEOの座席が移動するたびに、彼のいるビルは常にDay 1という名前に変わるというルールです


「Day 1」という名前には、日本語で言うところの「永久ベンチャー」であり続けたいという意思が込められています。対象的に「Day 2」と記載されているところは、「大企業(病にかかった企業)」というニュアンスで書かれています。


アマゾンが大企業病を予防するための「High-Velocity Decision Making」

レターの内容を全て翻訳することはしませんが「High-Velocity Decision Making」
というセクションが大変示唆に富む内容だったため、この内容を紹介したいと思います。

Day 2 companies make high-quality decisions, but they make high-quality decisions slowly. To keep the energy and dynamism of Day 1, you have to somehow make high-quality, high-velocity decisions. Easy for start-ups and very challenging for large organizations. The senior team at Amazon is determined to keep our decision-making velocity high. Speed matters in business – plus a high-velocity decision making environment is more fun too. We don’t know all the answers, but here are some thoughts.

「Day 2な会社」の意思決定は遅い。「Day 1」のエネルギーとダイナミズムを維持するには、質の良い迅速な意思決定が不可欠であるが、ベンチャーには容易く、大企業ほど難しい。アマゾンのシニアチームは意思決定を迅速にする。ビジネスにおいてスピードこそ重要であり、迅速な意思決定が可能な環境は、楽しい。

「High-Velocity Decision Making」というのは、日本語に直すと「迅速な意思決定」ということになります。「迅速な意思決定」をし続けるための4つのルールが紹介されているので、以下で一つずつ紹介します。

会社が大きくなると、大企業病に近い症状が色々な所で現れてくる、というのはアメリカでも日本でも同じです。そういった中で、大企業病を予防し、永久ベンチャーであり続けるために、アマゾンがどういったルールを定めているのか、非常に学ぶべきことが多いのではないかと思います。

大企業に勤める人だけではなく、成長中のスタートアップに勤める人にも、十分参考になる内容なのではないかと思います。


----------------------------

ここから先は、有料コンテンツになります。このノート単品を500円、あるいは、月額1000円のマガジンをご購入ください。有料マガジンは、1ヶ月あたり4~8本の有料ノートが追加される予定です。

マガジンは初月無料です。月末までに解約すれば費用はかかりません。購読開始した月以降の有料記事が読めるため、月末に購読開始しても不利にはなりません。

有料版をご購入いただくと、以下のコンテンツをご覧いただけます。

・ルール1: 意思決定を間違えても、●●できるようにする
・ルール2: 完璧な情報量の●●%程度の情報量しかないタイミングで意思決定をする
・ルール3: 「●●●●●●」と言い続ける
・ルール4: ●●●●の利害関係が対立することがあるということを理解せよ

----------------------------

ここから先は

5,311字 / 4画像

¥ 500

ツイッターで決算に関する情報を発信しています。ぜひフォローしてください!