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この記事はhikoさん（企画・リサーチ担当）との共同制作です。

2022年4月より、日本で消費者物価指数（CPI）の上昇が始まり、現在の飲食業界は、食材価格の高騰等によって向かい風の状況が続いています。

その状況の中で、ラーメンチェーンの丸千代山岡家の株価は、2023年9月4日に上場来高値を更新しました。

食材価格の高騰等のマクロ環境でのマイナス要因がある中で、なぜ株価は上場来最高値を付けたのでしょうか？

今回の記事は、前半では、丸千代山岡家の会社概要と事業内容を見ていき、記事の後半では、丸千代山岡家の業績の深掘りや上場来高値を更新した理由等を考察していきます。

丸千代山岡家の株価が過去最高水準

上図は、丸千代山岡家の直近の株価の推移です。

2023年9月4日に丸千代山岡家の株価が3,730円となり、上場来高値を更新しました。

ラーメン業界の市場規模は6,000億円、店舗数はおよそ18,000店と言われています（2016年時点調査より）。

個人店もしくは小規模のチェーン店が多いラーメン業界において、上場企業はどのような戦略を描いているのでしょうか？

1980年に創業し、直近5年間（2013年2月〜2023年1月）の平均年次成長率が9.8%と毎年右肩上がりに売上成長を続けている丸千代山岡家を例に見ていきたいと思います。

丸千代山岡家の会社概要と事業内容

丸千代山岡家は、現代表取締役会長の山岡氏が弁当販売のフランチャイズ店として、1980年に創業しました。

1988年にラーメン山岡家の1号店を茨城県牛久市に出店し、現在は「ラーメン山岡家」の他にも「極煮干し本舗」「味噌ラーメン山岡家」「餃子の山岡家」の業態も合わせ、176店舗を出店しています（2023年1月時点）。

丸千代山岡家は、東日本を中心とした全国のロードサイド店舗を出店し、24時間営業を基本としたラーメンチェーン店です。

「山岡家はスープが命」というほど、手作りにしか出せない味にこだわっており、100店舗以上の店舗を展開しているにも関わらず、セントラルキッチンや濃縮スープを使わず手作りによるスープの仕込みや食材の店内調理を徹底しています。

丸千代山岡家は、全国展開していますが、同じラーメンチェーン店である日高屋や一風堂等に比べて、一般的な認知度がさほど高くないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

その背景は、丸千代山岡家の主要な顧客層はトラックドライバーだということにあります。

現代表取締役会長の山岡氏が上場時に「トラックの運ちゃんは、おいしいラーメンを出せば固定客になる。浮気しない」とコメントしているように、同社は顧客であるトラックドライバーのニーズに合わせ、24時間営業や大きな駐車場が確保できる店舗作りをしています。

また厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準（改善基準告示）」にもあるようにトラックドライバーには、「一日に8時間以上連続で休息期間を取らなければならない」というルールがあります。

丸千代山岡家の一部店舗ではシャワー室の設置もしており、次の勤務までにしっかりと休息をとりたいトラックドライバーにとってうれしい環境となっています。

上記のような取り組みにより、丸千代山岡家は顧客から非常に強い支持を得ており、飲食業界にとって向かい風であったコロナ禍においても、丸千代山岡家の売上高は右肩上がりで伸びています。

ここまでは、丸千代山岡家の会社概要と事業内容を見てきました。ここから記事の後半では、丸千代山岡家の業績の深掘りや上場来高値を更新した理由等を考察していきます。

飲食事業に携わる方や興味がある方はもちろん、事業運営に関心がある方に最適な内容になっています。

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