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会計ソフト・freeeの株価が激高なのはナゼ?

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


freee 2021年6月期 第1四半期決算の全体の印象は?

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ーー(Risa)皆さん、こんにちは。Risaです。今回は、freeeの2021年6月期第1四半期の決算について、シバタさんと一緒に読んでいきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いいたします。

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ーーfreeeは2012年に創業、スモールビジネス向けにクラウド会計ソフトを中心としたERPサービスを提供しています。会計ソフトの他、マイナンバー管理ソフトや人事部ソフトなども企業向けに提供しており、2019年12月にマザーズへ上場しました。

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ーー今回の決算を見ると、ARRは85.5億円(前年同期比+49.0%)、売上高は22.25億円(前年同期比+49.2%)で順調に成長していると思います。今回の決算全体の印象はいかがでしょうか?

(シバタナオキ)まず、ARRの伸びが前年同期比で+49%ということで、約50%増というのは成長率としてはとても高いと思います。まだまだ売上成長の勢いが続いている印象です。


ARRと売上高の違いは?

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ーーここで、おさらいになりますが、成長段階のSaaSの企業を見るときにARRはポイントになる指標だと思います。ARRと売上高の違いについて、改めて教えてください。

簡単に言いますと、ARRは年換算した継続課金売上です。資料の下に小さく書いてあるように、ARRはだいたい直近のMRRの12倍で計算します。この場合は、2021年6月期の第1四半期(7~9月)の9月末のMRRを12倍したものがこの85.5億円ということになります。

実際の売上に比べると、約4倍程度大きくなります。理由は、ここで出ている売上は四半期の売上であり、ARRは基本的に年換算した継続課金売上だからです。

ーーでは、いわゆるサブスクで定期的に契約されているお客さんの継続課金売上がこのARRに含まれる数字ということですね。

おっしゃる通りです。継続課金以外の売上は、右側の売上高の方には入っていると思いますが、左側のARRには普通は含めません。

ただ、freeeの場合は、おそらく、コンサルティングなどの継続課金ではない売上はあまりないと思いますので、実質的に継続課金以外の売上はほとんどないと思います。継続課金ではない売上が結構多い会社もありますので、そういう場合は売上とARRが結構ずれてくることがあります。


SaaS商品のセールスのKPIは?

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ーーなるほど。ARRを分解したものが有料課金ユーザー企業数とARPUになると思います。ユーザー企業数が+39%になったものの、ARPUの低い個人事業主やスモールセグメントにおいての顧客獲得が好調であったことを背景にARPUの成長が+7.2%と緩やかになっています。

ーー例えば、私がfreeeやSaaS企業の営業担当だとすると、このようなSaaSの商品を売っていくためのセールスのKPIは、通常どういったところになるのでしょうか?

なるほど。RisaさんがSaaS企業の営業マンだったとして、何を目標にするかということですね!

ーーそうです!

最近、SaaS系のプロダクトは、営業チームの作り方が昔と少し変わっており、おそらく3つのプロセスに分けて、それぞれに人を配置していると思います。

1つ目のプロセスが、SDR(セールス・ディベロップメント・リプレゼンタティブ)です。この人たちはとにかくリード(見込み客)をひたすら獲得することが仕事です。

マーケティング的にやる場合もあれば、いわゆる飛び込み営業をする場合もあれば、自社のWebサイトに問合せをしてくれた人とお話する場合もあります。とにかく、見込み客をひたすら作る、リストをつくることがSDRです。

2つ目のプロセスが、いわゆるアカウント・エグゼクティブです。この人たちはひたすら案件をクローズする、契約書にサインをしてもらうことが仕事です。

3つ目は、カスタマ―・サクセスです。獲得した案件は、今度はカスタマ―・サクセスに回ります。カスタマ―・サクセスの人たちは、とにかく継続率を維持することと、必要に応じてアップセルをしていくことが仕事です。

今はおそらく、SaaS系の営業はこういう3つのプロセスに分かれていると思います。

アメリカの場合、SDRの人はSDRだけを行い、リード獲得の人はリード獲得しか行わない、アカウント・エグゼクティブの人はひたすらクロージングだけ行う、カスタマ―サクセスの人はカスタマ―サクセスだけを行うというように分業されています。

野球に詳しい人はご存知だと思いますが、いわゆるメジャーリーグは先発ピッチャーと中継ぎとリリーフが完全に分業していますよね、そういうイメージです。日本に比べると、はるかに分業が進んでいるというのがSaaS業界の営業だと思います。

ーーなるほど。では、保険のように最初に会った営業マンとずっとお付き合いしていくという感じではないのですね。

違うと思います。かなり分業しており、それぞれ得意なところだけをやるようになっていると思います。メジャーリーグのピッチャーの分業と同じだと覚えておいてください。

ーー分かりやすいです!


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・大企業でのDX化にはまだまだ時間がかかる?
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