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新規上場のマッチングアプリ米Bumbleがユニークな点は?Tinderとの違いは?

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


Tinderと比べたイメージやユーザー層の違いは?

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ーー(Asako)皆さんこんにちは。今回は1月15日に上場を申請したBumbleのS-1を、シバタさんと一緒に見ていこうと思います。よろしくお願いします。

(シバタナオキ)よろしくお願いします。今回はなんとマッチングアプリということで、あまり僕の得意分野ではないかもしれないですが、頑張ります。

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ーーBumbleとは、BumbleとBadooという2つのマッチングアプリを保有している会社です。両アプリ合わせて、2020年Q3時点でのMAUが約42M(約4,200万人)、世界150カ国以上に展開されているとのことです。

ーーBumbleのアプリは、女性が社会や恋愛において不平等に扱われることが多いという状況に対して、 女性を中心に置いたアプリとしてローンチしました。

ーー日本のユーザーにはあまり馴染みのないアプリのように思いますが、アメリカではどういう立ち位置のマッチングアプリなのでしょうか。Tinderと比べて、イメージやユーザー層の違いがあれば教えてください。

やはり「女性起点」という点が圧倒的に違うと思います。First Movesのところに1.7BNと書かれていますが、最初のメッセージは女性からしか送れないなど、女性からアクションを起こさないと男性からは何もできないようになっています。

ビジネスとして見ると、マッチングアプリは男女を同じ数だけ増やしたいものですが、女性を増やせば男性は後から付いてくるという考え方のような気がします。その辺りの違いが大きいでしょう。

MAUが4,200万人で、240万人が有料プランにお金を払っているので、転換率はそれほど高くないように感じますが、やはり4,200万人が毎月使っているというのは相当な規模だと思います。

ーー続いて、使い方についてです。Bumbleの使い方は他のマッチングアプリとほぼ同じで、自動でマッチングされた相手を見て、気に入った相手なら「Like」をします。気に入らなければどんどんスワイプしていき、お互いが「Like」をした場合に、相手にメッセージを送ることができるシステムです。

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ーーその後が、Bumbleのユニークなポイントです。先ほどシバタさんからもありましたように、初回のメッセージは女性からしか送れません。

ーーマッチしてから24時間以内に女性がメッセージを送らなければ、コネクションが消滅してしまいます。また、女性からのメッセージに対して男性が24時間以内に返答しない場合も、コネクションが消滅してしまうという仕組みです。

ーー24時間という制限を延長する場合や、一度コネクションが消滅してしまった相手ともう一度マッチしたい場合などに、課金が発生するような形になっています。

ーー続いて、もう1つのアプリBadooに関してです。恥ずかしながら、私は今回初めて名前を聞いたのですが、実はかなり老舗のマッチングサービスです。

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ーー歴史の図を見てみると、なんとTinderがリリースされる前の2010年から黒字化しているアプリです。Badooも深掘りしてみたいところではありますが、今回はBumbleのアプリの方をメインに見ていきます。


スポンサー買収とは?

ーー会社の組織周りがややこしいように感じたので、数字の話に入る前に解説していただきたいと思います。

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ーーBumbleホールディングスは、スポンサー買収の資金調達のために設立され、Worldwide Vision LimitedがBumbleホールディングスの前身であるという趣旨が記載されています。スポンサー買収とは何なのでしょうか。

おそらくBadooとBumbleというアプリをくっつけて、1つにして上場しようという話だったのでしょう。くっつける際に、一方がもう一方を買収しなくてはいけないのですが、それをするためのスキームが、今回のスポンサー買収という形です。

持株会社を作って、そこにお金を投じて、そこが買収するというスキームになっていると思います。かなりスキームとしてはややこしくなっています。基本的にはお金を借りて買収するのですが、そのための色々な会社が作られたと思っていただくと良いです。

会社の親子関係がどうなっているかなどももちろん大事ですが、やはり一番大事なポイントは、BumbleとBadooをくっつけて、1つにして上場したかったということです。そのために一番効率の良いのがここに書かれている仕組みなのではないでしょうか。

見ると非常にややこしいのですが、要はくっつけられなかったということだけ覚えておいていただければ良いでしょう。

ーーなるほど。意図が明確になってよかったです。


今回の全体の数字の印象は?

ーー続いて、数字面を見ていきたいと思います。

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ーー2020年に関しては、途中で買収を挟んでいるので、Worldwide Vision LimitedとBuzzホールディングスで分かれてしまっていますが、全体の数字を掴むために1月1日~1月28日のWorldwide Vision Limitedの数字と、1月29日~9月30日のBuzzホールディングスの数字を足したもので見ていきたいと思います。

ーー第3四半期までの売上は、前年同期比約15%上がっているのに対して、営業利益はマイナスとなっています。ただ、販管費を見ると主に一般管理費と減価償却費となっており、おそらく買収に係る一時的な費用が増えているのではないかと思い、そこまで心配しなくても良いように感じました。

ーー今回の全体の数字の印象はいかがでしょうか。

2つの会社がくっついていることもあり非常に読みにくいですが、覚えておいていただきたいのが、売上が前年同期比で15%伸びているという点です。

2019年に9カ月で$362M(約3億6,200万円)、2020年は$376M(約3億7,600万円)に$39.9M(約3,990万円)を足すので、$416M(約4億1,600万円)なので、規模はかなり大きいです。

成長率が大体15%ということを、まずは覚えておいていただきたいです。買収の費用もあるでしょうし、まだ販管費でも完全に効率化できていない部分があるでしょうから、トップラインが非常に大きく伸びているという点が、一番重要なポイントです。

ーー直近で15%も伸びていてすごい、ということでしょうか。

そうですね。


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・市場の伸び率の水準と、コロナ後に変化がありそうか?
・Bumbleの今後のARPPUの伸びしろは?
・日本進出における強みと課題は?
・デーティング以外の領域は伸びると思うか?
・まとめ

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