テスラはなぜこのタイミングでModel 3を発表したのか?

(号外です。大部分を音声入力で書いているので、誤記等があるかもしれませんがご容赦ください。)

テスラが先週、大衆向けの電気自動車Model 3を発表しました。発表前の時点で15万台の予約が入り、なんと4月2日土曜日時点で、27万6000台の予約を超えているとのことです。

予約するには、$1000(10万円)のデポジットが必要なので、このデポジットだけで、$276m(約276億円)もの現金を集めたことになります。

驚くべきことは、実際に納車されるのが最短でも1.5年以上先と言われているのにも関わらず、これだけの予約を集めてしまった点です。実際、過去のテスラを見ると、当初宣言していた納車日に間に合ったことがありません。「納車するする詐欺」に近いレベルで、いつも納車が遅れます。笑

そう考えると、今回、この早いタイミングでModel 3を発表したのは、会社から見るとすごくリスキーにも見えます。なぜこのタイミングで発表せざるを得なかったのか、を少し考えてみたいと思います。


テスラ社内向け極秘文書「マスタープラン」

詳しくは、Model 3の発表会でCEOのイーロン・マスクが自ら語ったビデオをご覧いただくのが一番なのですが...

イーロン・マスクCEOが明かしたところによると、テスラには設立時からの極秘文書「マスタープラン」なる社内向け文書が存在するとのこと。

ビデオ中で「マスタープラン」は↑のように、4台の車が並ぶスライドと共に紹介されていました。


ステップ1は「格好良く高性能なスポーツカー」

テスラ以前の電気自動車というと、ダサい、性能が悪いという印象があった。まずはその印象を覆したかった。だから、最初は高価格でも、デザインに優れて、性能もすこぶる良いスポーツカーを販売した。

ステップ2は「セダンとSUVで量産体制を作る」

次に、セダン型、SUV型を出して、量産体制を築き、現金を稼ぐ必要があった。このオペレーションと現金がなければ、大衆車(Model 3)は作れないと思っていた。

そして、最後のステップ3が「大衆車の大量生産」という訳です。


そんなに甘くなかった電気自動車...の現実

ステップ2で十分な財務基盤が作れればよかったのでしょうが、残念ながらそうでもなかった、というのが現状です。

詳しくは、以前のエントリーで書いた通りですが、テスラは2015年10-12月の四半期で赤字が$320m(320億円)あり、手持ちの現金(相当)が$1.2B(1200億円)なので、仮に同じペースで赤字を続けると、2016年末ころには現金が尽きてしまい、倒産しかねません

こんな状況も踏まえて、タイトルにある通り「テスラはなぜ今Model 3を発表したのか?」を少し考察してみたいと思います。(完全に推測です。)


理由1: (より良い条件での)資金調達をするため

テスラの財務は「このままだと12ヶ月で倒産」という状況です。普通に考えれば、資金調達をしなければならない(あるいはしておくのが無難)というのが正しい見方かと思います。

今回予約金として集めた$276m(276億円)の現金は、3ヶ月分の赤字にも見たない額なので、これだけだと心もとないです。

株式であれ、社債であれ、借金であれ「あと12月で倒産するかもしれない会社」が資金調達をしようとすると、条件が恐ろしく悪くなります。お金を出す側からしたら怖いですからね。

他方、今回のModel 3の27.6万台の予約注文というのは、仮に1台$40k(400万円)で販売すると、$10B(1兆円)を超える金額の予約額になります。

つまり、イーロン・マスクCEOから見れば、

うちが1.5年後くらいに販売開始する予定の新車を発表したら、3日で1兆円を超える予約が殺到してしまったんですわー。お客さんはうちの車が出るのを待ち望んでいて、うちは(製造さえできれば)確実に売れる車を作る能力がある、ということをマーケットが証明してるんですわ。だから、良い条件でお金貸してね

と言えるようになった、ということなんだと思います。


理由2: 社内のゴールを「とにかく製造能力の強化」へ統一する

皆さん、自分の働いている会社が赤字で「同じペースで赤字だとあと12ヶ月で倒産します」という状態だったら、どうしますか?多くの人が転職を考えるでしょう。少なくても、社内がソワソワすると思うんですよね。

今回のModel 3の発表、ならびに、その結果の初速値は、この社内の士気向上にもつながると思います。

つまり、イーロン・マスクCEOはこういう風に言えるんですよね。

皆、いままでハードワークありがとう。我が社の財務状況は大変な状況だけど、Model 3の発表はユーザーにとても好意的に受け入れられたよ。3日で27.6万台の予約、金額にして1兆円分も予約が来たんだ。信じられるかい?うちの課題はたった一つなんだ。とにかく、製造スピードを上げること。もうそれだけができれば、こんなにも新車を待ってくれているお客さんが要るんだよ。だから、今日から製造スピードを上げるためにまたハードワークしようぜ!

とにかく、「余計な心配はするな。オレたちは間違いなくクールなものを作っている。とにかく製造スピードあげようぜ」という非常に前向きなメッセージで、社内のソワソワを一蹴することができると思います。


まとめ

というわけで、今回のModel 3の発表が大成功したことを受け、テスラは近日中に、資金調達をすると個人的には思います。

そして、今後の注目は上述したように、とにかく製造スピードがどのくらい上がるのか、という一点に尽きます。それ以外は申し分ない会社やプロダクトだと思いますので。

テスラの更に詳しい財務や決算を知りたい方は「夢の電気自動車テスラはどうすれば黒字になるのか?」をご覧ください。


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コメント1件

発明家のテスラのようにならなければいいのですが
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