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AWSが好調で純利益が前年比9.3倍になったアマゾン。次に狙う市場は?

アマゾンの2016年4-6月期の決算が出ました。

以前書いた通り、この会社は、IRで明確に

Long Term Goal – Optimize Free Cash Flows
長期的なゴール=フリー・キャッシュフローを最大化すること

と言い切っています。

その直近12ヶ月(TTM)フリー・キャッシュフローは、$7.3B(7300億円)とYoY +68%と大きく上昇しています。

直近12ヶ月(TTM)の売上見てみると、売上は$120B(12兆円)とYoY +26%も成長しています。

構成比は、北米ECが59%、海外ECが33%、AWS(クラウド)が8%です。

他方、四半期ベースの純利益(Net Income)を見てみると、グラフのように$857m(857億円)と9.3倍にも増えています。一体、どうしてこんなに利益が出るようになったのでしょうか?

ヒントは、クラウド(AWS)事業にあります。


北米EC vs クラウドの売上・営業利益比較

北米ECは、売上がYoY +28%の$18B(1.8兆円)、営業利益がYoY +102%の$702m(702億円)と営業利益率は4.0%と低いままです。(以前よりは上がっていますが)

他方クラウド事業を見てみると、売上がYoY +58%の$2.9B(2900億円)、営業利益がYoY +135%の$718m(718億円)と、営業利益率は24.9%と高いだけでなく、営業利益ベースで、北米ECを抜いてしまいました。


まとめると、以下のようになります。

事業   売上    営業利益 営業利益率 売上成長率YoY
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北米EC  1.8兆円  702億円 4.0%   +28%
クラウド  2900億円 718億円 24.9%  +58%

ECは直販モデルなので、売上が大きく、利益が小さいというモデルですが、クラウド事業はあれだけインフラ投資をしながらも、高い利益率を保ち、営業利益ベースで遂に北米ECを超えるまで来た、というレベルにまでなってきました。

しかも、恐ろしいことに、クラウド事業の成長率は、ECのそれよりも圧倒的に早い上に、マーケットシェアも大きいという点も見逃せません。


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