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スナップチャットに学ぶグローバルにスケールさせる広告システム

このnoteでは過去に何度かスナップチャットを取り上げたことがありますが、今日はスナップチャットの新しい広告システムについて考察していきたいと思います。

はじめにスナップチャットの2017年7月から9月期の決算を簡単に見ていきたいと思います。


売上・EBITDA・ARPU

売上と営業利益です。

四半期当たりの売上は$208M(約208億円)でした。

EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加算した金額)はマイナス$179M(約▲179億円)で、フリーキャッシュフローはマイナスの$220M(約▲220億円)ですので、未だに売上とほぼ同じ額の赤字を出し続けていることになります。

ARPU(ユーザー1人当たり売上)を見てみると、$1.17(約117円)となっており、そこまで大きく伸びていないというのが現状です。

ちなみにこのARPUですが、上場してからの推移をFacebookと比べてみると以下のようになります。

*Business Insider「Snap is pulling in about $1.17 in revenue per user — far less than Facebook was seeing right after its IPO」(2017/11/8)

これを見る限りFacebookを越えてはいませんが、そこまで悪い推移であるとは言えないのではないでしょうか。


DAUあたりのサーバーコスト

一方でFacebookと大きく異なるのが、ユーザーあたりのサーバーコストです。

スナップチャットの場合、取り扱っているメディアが動画のみなのでサーバーコストが大きくかかります。今回の四半期においてはDAU(1日の平均利用者)あたりのサーバーコストが0.68ドルと、広告売上の約半分がサーバーコストに消えてしまっている計算になります。

以上、決算の概要だけを見てみるとあまり良い材料がない決算だったとも言えるでしょう。

ちなみに、今回の決算の発表直後にスナップチャットの株価はグラフのように大きく下落しました。

ユーザー数の伸びが鈍化してきており、ユーザー1人当たりの売上も大きく伸びていない、そしてアクティブユーザー1人当たりのサーバーコストが広告売上に対して非常に大きいというあまり良いニュースがなかったのも確かです。

決算資料には出てきていないのですが、決算発表会のテープ起こしに、「もしかすると今後スナップが大きく成長するかもしれない?」と思わせる内容があったので今日はその話を詳しく考察してみたいと思います。

一言で言うと、「広告システムを大きく刷新している最中である」という内容です。

この話はスナップチャットだけではなく、FacebookやTwitterなども過去に通った道でもあり、大きくスケールする広告システムを作るために何が必要なのかという点で非常に学ぶべきことが多いのではないかと思います。

そういった意味でインターネットの広告に携わる全ての方にとって何らかの役に立つ内容なのではないかと思います。


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・広告配信の昔と今
・重点その3「●●」= 広告を●●で販売する
・まとめ(大きくスケールする広告システムの作り方)

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