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マッチングアプリが他のサブスクビジネスと比べて唯一劣る点とは?

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


Match Group 2020年度第2四半期決算の印象は?

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ーー(伊佐山真理)皆さん、こんにちは。今日は、TinderやPairsなどマッチングアプリを運営するMatch Groupの決算書を、シバタさんと一緒に読んでいきたいと思います。シバタさん、よろしくお願いします。

TinderとPairsが同じ会社ということを知らなかったので、結構びっくりしました。

(シバタナオキ)そうですか。もともとこの会社は、いわゆるマッチングアプリがない頃からMatch.comというマッチングサイトをやっていました。その後、Tinderなどが出てきてM&Aをたくさんしてきた会社です。

後半その話が出てくると思いますが、いわゆるマッチング系のアプリをどんどん買うという、非常にM&Aが得意な会社です。

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ーー早速、中身にいきたいと思います。今回は2020年第2四半期の決算書になります。売上(レベニュー)が+12%、営業利益(オペレーティング・インカム)が+14%、ともに前年比でプラスで終わっています。

このコロナの環境下で急遽ビデオチャット機能をリリースして、しっかり数字にも表れて成長しているのがすごいと思いました。シバタさん、今回の印象はいかがでしたか?

売上も利益も前年同期比2桁成長ということで、決して悪くはないなという印象です。

マッチング系のサービスは、コロナ禍でのプラス面として、ほかにやることがないのでもっとエンゲージメントが増える一方、コロナで実際に新しい人と出会うことがちょっと怖い、そういうネガティブな面があります。その辺を天秤にかけてプラスマイナス0ぐらいと思っていました。

しかし、今回ビデオチャット機能がちゃんと出てきて、決算としてはどちらかと言うとプラス側に振れている印象です。ものすごくよかったわけではないと思いますが、悪くない決算だったと思います。


広告収入を売上の柱にできる?

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ーー上図で売上の内訳を見てみると、ユーザー課金からくるディレクト・レベニューと、その他広告収入などからくるインディレクト・レベニューに分かれていて、トータル・レベニューの約98%がディレクト・レベニューであることが分かります。

SpotifyやYouTubeはユーザー課金+広告収入の両方から売上を立てていると思いますが、Match Groupも広告収入を増やして売上の柱にすることは難しいのでしょうか?

もちろんできなくはないですし、今でも広告は入っていると思います。

ただ、このアプリはパートナーや新しい友達など、人と出会いたいと思って使うアプリですので、出会うということ以外のところにユーザーを逃がしてしまうと本質的にユーザーが求めていたものと違うところに行ってしまいます。

そのため、本質的にはユーザー課金が大きくなるほうが正しいのではないかと思います。

ーー広告をクリックされて違うところに行かれると困るサービスということですね。

そうですね。YouTubeの場合は何らかの動画を見た後に、例えば、動画を見てものが買いたくなって、ものを買いに行くところが広告になっている、そういう広告はありだと思います。

Match Groupのアプリの場合、目的が出会いを見つけにきているわけなので、出会いを見つけている途中にほかのところに一生懸命連れ出そうとされると少しうっとうしいではないですか。そこが広告との相性があまりよくない理由かなと思います。

ーーでは、このインディレクト・レベニューが下がっている点もヘルシーな数字であるという見方で大丈夫ですか?

いいえ。このインディレクト・レベニューが下がっているのは広告だと思いますが、広告は今、どの業界を見てもだいたい前年比でこれぐらい下がっています。

これは別にMatch Groupが何か悪いことをしたわけではなくて、広告業界がコロナの影響でこれだけ落ちているということです。あまり気にしなくていいと思います。

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