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Q. ライドシェアLyftのドライバーの平均年収は?

Q. ライドシェアLyftのドライバーの平均年収は?

A. 年収約60万円。

「ライドシェア」というと日本ではUberが有名かと思いますが、Uberのアメリカでのライバルと呼べるLyftが株式公開の申請をしました。

ちなみに、アメリカのライドシェア市場は、Uberが約69%、Lyftが約29%と、約2対1のマーケットシェアになっています。

このLyftという会社は、売上の成長スピードも凄まじいのですが、それだけではなく「ライドシェア」というビジネスを開拓したパイオニアでもあります。今までユニットエコノミクスが公開されてこなかったライドシェアビジネスの全体像がわかるデータがたくさん公開されているので、少しずつ読み解いていきたいと思います。

Lyft, Inc. FORM S-1(FORM S-1は、アメリカでの株式公開申請の際に米国証券取引委員会に提出する書類です。)

こちらが全体の取扱高のグラフになります。ご覧いただければ分かる通り、右肩上がりで指数関数的に増加しています。

2018年の1年間で取扱高が$8.1B(約8,100億円)、売上が$2.2B(約2,200億円)でした。

乗客数は四半期あたり1,860万人で、累計の乗車回数は10億回を超えています。

詳細に入る前に、「ライドシェアの本質とは何か」ということに繋がる数字が公開されているので、そちらから見ていきたいと思います。


シェアライドの本質とは何か

こちらがドライバーを表す特徴的なデータです。
91%のドライバーは週に20時間以下だけLyftの仕事をしています。そしてドライバーの34%が45歳以上です。

こちらは乗客を分析したデータになります。

35%の乗客は自分で車を所有しておらず、52%の乗客は通勤にLyftを使っています。
44%の乗客の乗車もしくは降車地点が低所得地域になっており、所得が高くない層にも広く利用されているサービスだと言えるでしょう。

こちらはライドシェアが社会全体にもたらす影響です。ぜひ日本の霞ヶ関の方にも読んでいただきたい数字です。

・34%の乗客はLyftを利用することでより多くの消費をするようになり、
・47%の乗客は自分が住んでいる地域で、より多くのエリアを探索できるようになり、
・14%の乗客バスや電車などの最寄りの公共交通機関までLyftを利用し、公共交通機関に乗り換えます。

このように、ライドシェアは今までタクシーがカバーできなかった、よりきめ細かい多様なニーズにマッチしたサービスが提供でき、結果として社会的なインパクトも生み出しているとも言えるのではないでしょうか。


売上・営業利益(成長率)

売上と営業利益も簡単に見ておきましょう。

2018年の1年間で売上が約$2.16B(約2,160億円)で、前年同期比で約2倍になっています。この規模で売上が倍増するということは本当にすごい成長だと言えるでしょう。

営業利益は2018年の1年間で▲$911M(▲約911億円)で前年より赤字が大きくなっています。売上の半分程度の赤字を計上しているので、非常に大きな赤字にも見えますが、成長スピードとのトレードオフとも考えられるのではないでしょうか。


テイクレートは約29%

2018年の1年間での取扱高は約$8.1B(約8,100億円)とのことなので、テイクレートは26.8%にものぼります。

このグラフからわかるように、テイクレートは右肩上がりで直近では28.7%になっています。

おそらく、昨年まではUber等とドライバー争奪戦が起こっていたため、ドライバー確保のためにテイクレートを抑えていたと考えられますが、徐々にドライバーから受け取る手数料を上げられるようになっているとも考えられます。

以下では、Lyftをケーススタディとして、ライドシェアビジネスのユニットエコノミクスを詳細に見ていきたいと思います。

ライドシェアビジネスのユニットエコノミクスは、これまでほとんど公開されたことがないと思いますので、貴重なデータになるのではないでしょうか。

この記事は、シェアリングエコノミー関連のビジネスを展開されている方、興味がある方、そしてマーケットプレイス型のビジネスを担当されている方に役立つ内容になっています。


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・1乗客あたりの1ヶ月の乗車回数、月間消費額、乗車単価
・コンシューマー向けサービスでは非常に珍しい●●●●
・ドライバーの平均年収
・まとめ

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