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投資信託ビジネスのお手本通り: 「ひふみ投信」のビジネスモデル

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今日の記事では、「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークス株式会社の上場目論見書を読み込んで、投資信託ビジネスの概要を勉強したいと思います。

最初にお断りしておくと、レオス・キャピタルワークス株式会社の藤野社長には、以前私の著書に帯のコメントを頂いたことがあります。また、私や私の家族が「ひふみ投信」で資金を運用していることを最初に開示しておきます。

レオス・キャピタルワークス株式会社 新規上場申請のための有価証券報告書

はじめに、レオス・キャピタルワークスが提供している「ひふみ投信」に関してご存知の方も多いかもしれませんが、簡単に概要を紹介したいと思います。

ひふみ投信は、ユーザーから預かったお金を、主に日本の成長企業に投資することで資産形成を行う長期保有型のアクティブファンドです。

アクティブファンドというのは、日経平均株価やTOPIXなどの市場の平均の指標(インデックス)と同じような動きを目指すインデックスファンドとは異なる戦略で投資を行うファンドで、インデックスファンドを上回る運用成績を目指します。

お金を預けるユーザーから見た場合の手数料は、こちらにあるように運用資産の約1%の金額が年間の信託報酬として課金されます。

日経新聞の記事によると、アクティブファンドの平均手数料は1.6%でしたので、 アクティブファンドで年間約1%という手数料はかなり低い方だと考えて良いと思います。日本の場合、ロボアドバイザーでも1%程度の手数料は取られますので、相対的に見るとアクティブファンドとしては相当割安な手数料だと言えるでしょう。

出展「インデックス対アクティブ 投信はどっちを選ぶ」2ページ目


売上・利益

2018年3月期の1年間で売上が38.5億円、経常利益が11.3億円と前年同期から非常に大きくプラスになっていることが読み取れます。

2019年3月期の第2四半期までの半年間で、既に売上が32億円、経常利益が10.6億円も出ているので、2019年3月期も大幅な増収増益となるのではないでしょうか。


想定される時価総額

目論見書から読み取れる株式数や想定株価を元に時価総額を推定してみます。

・上場前発行済み株式数: 約1,200万株
・新規発行株式数: 約63万株
・想定株価: 2,010円
=>
・想定時価総額: 約250億円
・新規調達額: 約12億円

これらの数字から、想定される株価が目論見書通りの2,010円だったとすると、時価総額が約250億円。新規に調達される金額は約12億円という計算になります。

2019年の3月期の1年間で売上が65億円程度、経常利益が21億円程度だと仮定すると、売上マルチプルが約4倍。経常利益のマルチプルは約12倍という計算になります。

資金調達する金額が約12億円とあまり大きくないように見えます。これは推測でしかありませんが、すでに利益率が十分高い黒字化されているビジネスであり、かつ後ほど詳しく述べたいと思いますが、ここから先、大きな資金のニーズがあまりないビジネスだからではないでしょうか。

株主名簿を見ると、ISホールディングスが51%を保有しており、代表取締役である藤野氏が8.56%と持分が少ないのが特徴的です。

詳しい方はご存知かもしれませんが、リーマンショックの後に会社が危機的な状況に陥り、ISホールディングスとの資本業務提携で救われたという経緯があるからだと考えられます。

ちなみにISホールディングスは、ITの内製化を強みに「外為オンライン」、「アイネット証券」、「ライブスター証券」、「ひまわり証券」などを運営する子会社を持つ金融事業を始め、IT事業、不動産事業、カーシェアリング事業、ホテル事業などを営む子会社を有する非上場の企業です。


投資信託ビジネスが伸びる背景

日本で投資信託がこれから伸びるであろうと予測される背景として、現時点で日本の全金融資産に占める投資信託の割合が、わずか4%に過ぎないことが挙げられます。

一方で過去のアメリカがそうであったように、国が主導する年金制度が破綻することがほぼ目に見えており、金融庁としては年金だけに頼らず、積極的に個人が自己の責任で資産運用をしていくことを推進していくものと思われます。

このようなトレンドをうまく捉えているのが、ひふみ投信を中心とした投資信託ビジネスと言えるでしょう。

ひふみ投信の運用資産残高を見ると右肩上がりで伸びており、2018年9月末時点ではほぼ1兆円に到達しています。

私自身は投資信託のプロではありませんが、ひふみ投信のビジネスモデルを見ると非常にシンプルで、まさに投資信託のお手本通りのビジネスモデルだなという印象を受けましたので、その話を詳しく書いてみたいと思います。

この記事は、Fintechビジネスに携わっている方、なかでも資産運用型のビジネスに関係している方、これから投資をして自分の資産を増やしていきたいと考えている方に最適な内容になっています。


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