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【保存版】マーケットプレイス型ビジネスのテイクレート一覧

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今日の記事では普段とは少し違って、マーケットプレイス型のテイクレートの話をしたいと思います。

こんなツイートがあって、とても沢山シェアされていたので、このデータを拡張して整理しておきたいと思います。

他にも以下のようなデータが公開されています。

A Rake Too Far: Optimal Platform Pricing Strategy

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マーケットプレイス型のビジネスモデルというのは、例えば楽天市場やYahooショッピングのように、売り手と買い手をつなぐ場を提供するモデルになります。

一般的には売り手と買い手の数が増えれば増えるほど、場としての重力が大きくなり、ネットワーク外部性が働きやすくなります。

ネットワーク外部性が強くなればなるほど、プラットフォームとしてのパワーが増すので、テイクレートが大きくなりやすい傾向にあります。

テイクレート = ネット売上 ÷ 取扱高

一言でマーケットプレイス型といっても様々なビジネスモデルが存在しており、業界によってもテイクレートが異なるのが実情です。

今日の記事では、各業界ごと、そしてモデルごとのテイクレートを整理しておきたいと思います。


その1: 決済インフラ

Visa: 0.2%

初めに取り上げたいのは、決済インフラとも呼べるびVISAのテイクレートで、0.2%です。

VISAは、直接店舗やユーザーとやり取りするというよりは、決済インフラのための更なるインフラを提供している、という印象をお持ちの方も多いかと思います。

クレジットカード決済という、全ての決済に関わる、まるでインフラビジネスであるわけですが、テイクレートは0.2%と、他に比べると非常に低くなっているのが特徴的です。


その2: マーケットプレイス(掲載費用型)

Shopify: 2.7%
OpenTable: 1.9%
Homeaway: 2.5%
Comparison Shopping(価格比較サイト): 6%

二つ目のカテゴリーが、商品などを掲載することに対して課金する形の、マーケットプレイス型です。

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Shopifyというのは、BASEのようなeコマースのプラットフォーム、OpenTableはレストランの予約システム、Homeawayというのは不動産のプラットフォームになります。

これらのプラットフォームは、トランザクションに対しての手数料を徴収している場合もありますが、主なビジネスはSaaSのような月額課金であったり、あるいは商品を掲載することに手数料がかかる、というモデルを採用しているケースが多いです。

テイクレートとしては2%から3%程度が標準的で、価格比較サイトで高収益になると、6%程度まで上がるケースがあります。


その3: マーケットプレイス(トランザクション手数料型)

eBay: 10%
Amazon: 15%
oDesk(現Upwork): 10%
Airbnb: 11%
Expedia: 11.9%
Fandango: 12.5%

三つ目のカテゴリーが、トランザクションに対して手数料を徴収するマーケットプレイスモデルです 。

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多くの方にとってこのモデルが一番分かりやすいかもしれませんが、eBayやAmazonといったeコマースだけではなく、日本で言うところのクラウドワークスのようなモデルであったり、Airbnb、Expediaなどもこのモデルに該当します。

テイクレートとしては10%前後というのは標準的な数字になっており、取扱高の10%がこれらの会社の売上になるという計算になります。

このモデルの特徴的なのは、取扱高という非常に分かりやすいひとつのKPIを追いかけることで、それに連動して売上などが全て増えていく、というモデルになるという点です。


その4: マーケットプレイス(サービス型)

Uber Rides: 23%
Lyft: 26%

四つ目のカテゴリーは、物ではなくてサービスを仲介するマーケットプレイスモデルです。

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ライドシェアのUberやLyftは、20%から25%程度のテイクレートを取っています。

売買されているものが商品ではなくサービスになるため、プラットフォームの力が強いと労働力が買い叩かれる形になり、結果的にテイクレートが大きくなる、という構造が読み取れるのではないでしょうか。


その5: マーケットプレイス(デジタルコンテンツ型)

App Store: 30%
Steam: 30.0%
Facebook Credits: 30.0%

五つ目のカテゴリーは、デジタルコンテンツ型のマーケットプレイスです。

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皆さんが最も馴染みが深いところで行くと、App StoreやGoogle Playストアなどが、このモデルに該当します。

不思議なことに、デジタルコンテンツのマーケットプレイスは、AppleがApp Storeを出した時に、30%という手数料を決めたため、後発のプラットホームも同じ30%というマージンを出してきています。

売買されるものがデジタルコンテンツという、製造原価がゼロに近いものなので、テイクレートが非常に高くなっているのが特徴的です。


その6: マーケットプレイス(市場シェア独占型)

Groupon: 50%
Shutterstock: 72%

六つ目のカテゴリーは、市場シェアが非常に高い、マーケットプレイス型のモデルになっています。

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グルーポンはご存知の方も多いかもしれませんが、Shutterstockというのは、写真や動画などのデジタル素材を販売するプラットフォームです。

これらのモデルで特徴的なのは、とにかくテイクレートが異常なほど高いという点です。

市場シェアが高いだけではなく、特に販売者側に他の選択肢がない場合、販売所は異常に高いテイクレートを支払ってでも、これらのプラットフォームを使わざるを得ない、という構造になっているのが特徴的です。


まとめ

以上をまとめると、このようになります。

1. 決済インフラ: 0.2%程度
2. マーケットプレイス(掲載費用型): 2-3%程度
3. マーケットプレイス(トランザクション手数料型): 10%+
4. マーケットプレイス(サービス型): 20-25%程度
5. マーケットプレイス(デジタルコンテンツ型): 30%
6. マーケットプレイス(市場シェア独占型): 50%+

一言でマーケットプレイス型と言っても、おれこれだけ大きなばらつきがあります。

テイクレートというのはビジネスモデルと、参入する市場によって、ある程度数字が確定してしまう部分もありますので、私の本でも書きましたが、これらの数字は丸暗記してしまうぐらいの勢いで覚えておくのが良いのではないかと思います。

様々なビジネスモデルを勉強していくと、そして歴史的な経緯も勉強していくと、何故これらの数字になっているのか、というのがよく理解できるようになりますので、興味がある方は是非それぞれのモデルを深掘りしてみてください。


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