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【アマゾンの唯一の対抗馬】全米最大の小売ウォルマートのアマゾン包囲網とは?

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私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間が無い」というお声を多数いただいています。

この記事では、上の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。


ウォルマート 2021年度第3四半期決算の印象は?

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ーー(Risa)皆さん、こんにちは。Risaです。今回は、世界28カ国で展開している大手小売企業ウォルマートの決算をシバタさんと見ていこうと思います。よろしくお願いいたします。

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ーーウォルマートは売上高世界最大級の小売企業です。日本では西友の親会社というイメージでしたが、現状を調べたところ、過半数の株式を楽天とKKRに売却しており、日本ではまた違った事業をしているようです。

ーーまた、デジタル化にも積極的で多くのスタートアップを買収し、最新のテクノロジーを導入、さらにテクノロジー人材の獲得を進めており、”アマゾンに対抗できる唯一の小売企業"とも言われています。

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ーーウォルマートの2021年度第3四半期の決算を見ていきます。単位はすべてbillionUS$ですが、この動画でテック系企業の決算を見慣れていると、収益が+5.2%は少し物足りなく感じます。そもそも3カ月間の売上(Net Sales)が$133.8B(約13.38兆円)と巨大なので収益が+5.2%も伸びているのはすごいと個人的には思いました。シバタさん、今回の決算全体の印象はいかがでしょうか。

(シバタナオキ)ウォルマートとアマゾンを比較すると、eコマースではアマゾンの方が大きいですが、ウォルマートの方がはるかに大きいということを意外と皆さん知らなくて。特にネットの世界で生きている人たちはアマゾンのほうが大きいと思っている人がいます。

ウォルマートは収益が$134.7B(約13.47兆円)ですから非常に大きな会社です。従業員もたくさんいますし、文字通りお店をたくさん持っている会社ですので、小売業(リテール)ではまさにアメリカで一番大きい会社です。

今回の決算について、もちろん収益は+5.2%伸びて利益もきちんと出ており、すごいと思います。ただ、まさにおっしゃっていただいた通り、もともと図体が大きいので、それを5%伸ばすだけでも大変ですが、eコマースのプレイヤーに比べると伸び率という点では少し物足りなかったというのが正直なところです。


店舗売上が伸びた要因は?小売業種で見るべき指標は?

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ーーウォルマートは全米に4,700を超える店舗を持っており、全体の売上に占める既存店売上の割合はとても大きいと思います。コロナの自粛が続く中でも既存店の売上が+6.2%も伸びている要因は何でしょうか。また、小売業種で注目すべき指標があれば教えてください。

既存店舗の売上が+6.2%伸びている点については、全体の売上の伸びとそれほど大きく違わないため、既存店で何か特別なことが起こったということではないでしょう。

小売業で注目すべき指標は、上図では売上(左上のNet Sales)が基本的には一番大事だと思います。

ただ、コロナ禍のため特にeコマースに注目したいです。eコマースの成長は+79%で、実はオンラインでの販売がものすごく伸びていました。全体に占めるオンラインの割合がまだ小さいため、全体の売上では+5.2%になっています。

もう少し深堀りして上図の右下のところを見ると、Pickupができるようになったお店が3,600店増えて、Same-day delivery(同日配送)ができるようになったお店が2,900店増えています。これはコロナ禍で起こっている特徴的な事で、今までとは違うモノの売り方をし始めている点に注目しておくと良いと思います。

ーーなるほど。PickupとSame-day deliveryが以前から行われていたのかは分かりませんが、もしコロナ禍でこのようなサービスを始めているとすれば、規模の大きな会社なのに対応がすごく速い印象です。eコマースの伸びもそうですが、ウォルマートはコロナに対して瞬発力のある対応をした会社ですか。

特に速い遅いというのはありませんが、アメリカでは店内に人を入れることができなくなっており、対策を行わないと潰れてしまいます。モノを売らなくてはいけないしお客さんも買いたいが、店内には人を入れられないという状況下で苦肉の策でこのような対策を取っていると思います。今後も売上が伸びるのか減るのかはきちんと見ておくほうが良いと思います。


bpsを使うのはなぜ?

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ーーeコマースの伸びの数字の下に570bpsとありますが、bps(ベイシスポインツ)を使うのはなぜでしょうか?

570bpsというのは5.70%と同じ意味ですが、これは単純に5.70%と言うよりも570bpsと言った方が普通の人にとっては理解しやすいです。

例えば、0.01%のように、特に桁が小さくなってくるとイメージしづらいですよね。でも、それを1bpsと言うと分かりやすいという話だと思います。特に非常に細かいパーセンテージを見る時はこのようなことを行うことがあります。

また、アメリカ人は意外と数字ができない人が多いため、整数で見せてあげたほうがみんなが分かりやすい、間違えにくいというのはあると思います。

ーーなるほど。日本人の感覚でもパッと見て数字としては読みやすいと思いました。bpsという単位を初めて見て聞いてみたかったので勉強になりました。


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・売上に対して営業利益が反比例となる理由
・ウォルマート+は脅威となるか?実店舗を持つ意味はあるか?
・今後、ウォルマートとアマゾンの競争はどうなっていく?
・売上に比べて、株価に大きな差があるのはなぜ?
・まとめ

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