決算が読めるようになるノート
Q.メルペイがキャッシュレス業界で独自のポジションを築く"強み”とは?
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Q.メルペイがキャッシュレス業界で独自のポジションを築く"強み”とは?

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ヒント:●●である●●が普及していること

この記事は沼幹太さん(企画・リサーチ担当)とMihoさん(ライティング担当)との共同制作です。

今日は株式会社メルカリの子会社で、決済サービスを提供する株式会社メルペイについて解説します。

PayPay、楽天Pay、LINEPay、d払い、Suicaなど決済サービスはFintechの一丁目一番地として、各社が積極的な投資を行い、ユーザー獲得に奔走しています。中でも後発参入であったPayPayは、運営会社のZホールディングス株式会社がLINE株式会社と経営統合し、LINEPayを取り込んだことで市場シェアを急拡大しています。

一方で、今回紹介するメルペイは独自のポジションを確立しています。FY22 Q1(2021年7月-9月)に初の黒字化を達成し、通期でも黒字化を見込んでいます。

今回の記事ではメルカリのFY22 Q3(2022年1月-3月)の決算を参照しながら、メルペイのPayPay対抗策に迫ります。


メルペイとは?

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ご存知の方も多いと思いますが、まずは簡単にメルペイについてご紹介しましょう。

メルペイは、メルカリの決済事業を運営している子会社とそのサービスの名称です。2018年6月にメルカリが上場する際にも、メルペイを通してメルカリの経済圏を作ることを戦略として大きく掲げていました。メルペイは実際に、メルカリの重要な事業へと成長しました。

メルカリアプリの利用ユーザーは、取引を通じて保有している売上金を全国の加盟店で利用することができます。銀行口座を登録すれば、お金をチャージすることも可能です。

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用途は大きく3つあります。

・決済:店舗などでの決済に利用可能。バーチャルカード、iD、コードの3種類を提供
・与信:メルペイでの支払いを翌月払い/定額払い化できるサービス
・ふえるお財布:メルペイ残高を利用して資産運用ができるサービス

決済サービスは前述のように競合サービスが多く存在する領域です。その中で、メルペイは与信サービスを軸として収益化を成功させています。メルカリという国内最大規模のフリマアプリがあり、買い物に利用できるという強みがあります。

資産運用サービスでは、ビットコインを活用した運用などに取り組んでいます。


メルペイのFY22 Q3決算/PayPayとのユーザー数比較

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上図はメルペイの四半期売上の推移です。FY22 Q3(2022年1月-3月)の売上は63.9億円となっています。そのうち、26億円(41%)がメルカリ内での売上、37.9億円(59%)がメルカリ外での利用です。

コストや営業利益は公開されていませんが、FY22 Q1(2021年7月-9月)より3四半期連続での黒字を記録しており、FY22期は通期で初めての黒字を見込んでいます。

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上図は現在のメルペイ、PayPayのユーザー数とその成長率です。ユーザー数が、メルペイは1,292万人(YoY+31.8%)で、PayPayは4,679万人(YoY+23.0%)となっています。

ユーザー数で見ると、CMの効果もあってPayPayが圧勝していますが、成長率ではメルペイが勝っている状況です。また、メルカリのMAUは2,069万となっており、メルカリからのユーザー獲得ポテンシャルもまだ残されていそうです。


PayPayの取扱高推移

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PayPayの取扱高推移を見てみると、急速に成長していることがわかります。直近のFY22 Q4(2022年1月-3月)の決算では、1.53兆円(YoY +54.6%)となっています。成長率は下がっていますが、取扱規模は右肩上がりに増加しており、PayPayはコード決済市場を牽引しています。

仮にPayPayのテイクレートをクレジットカード決済手数料よりは安い2%とおいた場合、PayPayのFY22 Q4(2022年1月-3月)の売上は306億円です。メルペイのFY22 Q3(2022年1月-3月)の売上が63.9億円(YoY +38.8%)なので、PayPayとメルペイとでは売上に5倍程度の差があることになります。

PayPayは加盟店の獲得を進めるために、契約時に初期費用を含めた追加費用が発生することなく導入・運用ができることを謳い文句に、主に個店などの小さな加盟店を獲得してきました。しかし、2021年10月に加盟店からの決済手数料の徴収を開始しています。手数料率は1.98%です。なお月額利用料1,980円のPayPayマイストアライトプランに加入で決済手数料は1.6%に軽減されます。

Zホールディングスの坂上亮介GCFO(最高財務責任者)によると、FY22 Q3(2021年10月-12月)決算時点で、積極的にユーザーへポイントを還元しているキャンペーンを停止すれば黒字化ができる目処がたっているそうです。

ここまで記事の前半では、メルペイのPayPayの状況を比較しながら見てきました。

記事の後半では、メルカリのPayPayに対する優位性について考察します。ユーザー数、売上を比較すると、圧倒的にPayPayが強く見えますが、メルペイの強みとはどのようなところにあるのでしょうか。

この記事は、決済・与信サービスに関心がある方、メルカリ・メルペイに関心がある方、Fintech領域に関心がある方に最適な内容になっています。


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・Q.メルペイがキャッシュレス業界で独自のポジションを築く"強み”とは?の答え
・メルペイスマート払いとは?
・上限額を決めるのはメルカリ利用実績とAIによる与信
・与信 EC市場における後払い決済額
・逆風となるメルカリ/メルペイ不正利用による損失
・まとめ

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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方になるべく分かりやすく書きます。