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【2019年版】独断と偏見で選ぶ決算資料がイケてるTop 3社(経営者・IR担当者必見!?)

日本はゴールデンウィークだと思いますので、今回は各社の決算分析から少し外れて、以前好評だった「イケてる決算資料」について書いてみたいと思います。

普段から色々な会社の決算について書いていますが、今回はネット企業の中で決算資料がイケてると思う会社を「独断と偏見」で選んでみたいと思います。

最初に注記。
あくまで私が独断と偏見で選んでいるだけです。私の判断が必ずしも正しいとは限りませんのでご注意ください。
また、決算の結果(そりゃ業績が良いほうが良いですよね)ではなく、「決算資料の出来具合」を評価対象としています。


イケてない決算資料の特徴

まず最初に、「ネット業界の決算資料としてはイケてないなぁ」と思う3つの特徴について記載します。

1. 「累計だけでの開示」はやめて欲しい

これまでも何度か書きましたが、累計だけの開示というのは読む側からすると非常に読みにくいという点を申し上げておきたいと思います。例えば第3四半期の決算を発表する場合は、第3四半期までの「累計」だけを開示するのではなく、第3四半期「のみ」の決算も開示してほしいという意味です。累計が不要と言う意味ではなく、四半期毎の記載+累計の記載は大歓迎です。

ネット業界のように変化が激しい業界では、1年単位ではなく3ヶ月単位で数字を見たい場合が多く、累計だけでの開示は非常に困ります。

そもそも会計年度というのは会社側が勝手に決めた月である場合が多く、3月、5月、8月、9月、12月など、バラバラです。したがって年度単位での累計は他社との比較を困難にします。

この点で以前と比べて決算資料が読みにくくなってしまった会社が、「ソフトバンク」と「ヤフー」です。
以前は四半期単体の決算も開示されていましたが、最近は累計の開示が目立つようになり、決算資料としては非常に読みにくくなっています。


2. 「主要なセグメントはまとめずに個別に開示」して欲しい

次に困るのが、主要な事業でもあるに関わらず、他の事業と合算されたセグメントとして開示されている場合です。

例えば「楽天」では、ECとトラベルが「国内EC」セグメントとして四半期で1,200億円を超える規模の事業が一括りなって発表されています。
「FinTech」セグメントでは、銀行、カード、証券でそれぞれ主要KPIが発表されていますが、ECとトラベルは事業別の流通総額の開示がありません。

「どの粒度で開示すべきか?」というのは、好みの問題でもありますが、決算資料を見る側からすると、細ければ細かいほど助かります。

以前は開示していた詳細を開示しなくなったり、KPIが異なる事業であるのに、一括りのセグメントとしている場合など、読む側に不親切なだけでなく、会社側として公表したくない数字があるのかな?と考えてしまうこともあります。

もちろん事業の特性上、競合企業に対して開示したくない数字があることはわかるのですが、主要なセグメントであるからこそ、読み手としては開示してほしいという気持ちもあります。

Eコマースの例で言えば、「Amazon」はオンラインの直販、マーケットプレイス、さらには買収したホールフーズなどのオフラインの店舗をきちんと分けて決算を開示していて、これは読み手側からするととても親切な資料だと思います。

3. 「因果関係を説明」しようとして欲しい

三つ目は、売上や利益が増えた減ったというだけではなく、その増減がなぜ起こったのか?という原因を可能な限り説明して欲しいということです。これは投資家から見た場合の自然な考え方です。

決算資料に売上や利益が増えた減ったという「事実」は当然記載されているわけですが、なぜそのような増加や減少が起こったのかという説明がないと、売上や利益の増減が一時的な要因なのか、恒常的なものなのか?、あるいは改善が可能なのか、不可能なのか?ということが全く読み取れません。

もちろん、社内で設定しているKPIを全て開示すべきとは思いませんが、経営者が自社の売上や利益をどのようにKPIに因数分解して、コントロールしようとしているのか?という考え方が分かるような説明があるのが好ましいと言えるでしょう。

例えば、ゲームビジネスの場合、

売上 = MAU(月あたりのユーザー数) x ARP(MA)U(ユーザーあたりの課金額)

のように因数分解して管理するのが通常だと思いますが、それぞれのKPI(この場合、MAUとARPU)が開示されないと、中身がどうなっているのかわかりようがない、というのが現実です。

「ダメなパターン」を上述しましたが、独断と偏見で選ぶ「決算資料がイケてるTop 3社」については、どこがどうイケてると思うのかを書いていこうと思います。


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