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サイバーエージェントがAbemaTVに200億円以上の投資がしづらい理由

今日のnoteはサイバーエージェントの決算を取り上げてみたいと思います。余談ですが、サイバーエージェントは決算の開示がいつもアメリカの企業並みに早いです。すごいですね。

今回は少し会計の込み入った話も出てくるので、このnoteにおける上級編の内容だと思ってください。
題して「AbemaTVに200億円以上の投資がしづらい理由」です。

サイバーエージェントは決算期が9月なので、まずは決算の概要をおさらいするところから始めます。
*サイバーエージェント2017年9月期通期決算説明会資料 


売上・営業利益ともに絶好調

年間の売上は3,713億円。前年同期比+19.5%の成長でした。

営業利益は先行投資事業への投資を除くと516億円。先行投資事業に209億円の投資をしたため、結果としては307億円となっています。

ご覧いただいた通り先行事業への投資を除けば増収増益の決算であり、売上は前年同期比約20%の成長と非常に高い成長率を誇っています。


なぜAbemaTVなどへの先行事業への投資額が200億円なのか?

2018年度の業績見通しがこちらの図になります。営業利益ベースで見ると2017年度とほぼ同額の見通しになっています。

具体的には

・先行投資事業投資分を除く営業利益は約500億円
・先行投資事業へ約200億円投資
・営業利益 約300億円

という内訳です。

ここで勘の良い方は、このような疑問が出てくるかと思います。

500億円も営業利益が出ているのに、なぜもっとAbemaTVへ投資しないの?

これは非常にリーズナブルな疑問だと思います。

決算説明会資料の10ページ目の2018年度の業績見通しのスライドで「2017年度に引き続きAbemaTVへの投資期と位置付ける」と明記されていますし、500億円の営業利益に対して200億円しか投資をしないと、残りの300億円は課税対象になり約半分は税金として収める必要があります。それであればもっと注力事業に投資してはどうか?と思われるでしょう。

そこで、今日のnoteではこのカラクリを少し詳しく見てみたいと思います。

詳しく見てみるとサイバーエージェントは2017年度や2018年度の営業利益の水準である場合、AbemaTVなどの先行投資事業に200億円以上の投資をするのは非常にやりにくい構造になっていることが分かります。

繰り返しになりますが、今回のnoteは若干上級編の内容になっていますので、興味がある方のみご覧いただければ幸いです。


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・AbemaTVに200億円以上の投資をしづらくしてしまっている「ある理由」
・営業利益が307億円もあるのに、当期純利益が40億円になってしまうのはなぜか?
・(広い意味での)競合Netflixとのコンテンツ投資に対する大きなスタンスの違い

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