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ヒント：どちらも●倍近い成長をしています。

この記事はゲストライターとの共同制作です。

アパレル業界は、新型コロナウイルスの影響を強く受けた業界であると言えます。
日本では、2020年5月に東証1部上場企業である株式会社レナウンが民事再生法を適用し、アメリカでは、2020年7月に紳士服メーカーのブルックス・ブラザーズが経営破綻しました。

今回は、そのような厳しいアパレル業界にありながら、前年同期比（YoY）で大きな成長を遂げているNIKEとlululemonを取り上げていきます。

2社に共通する成長要因は、コロナ禍でのホームトレーニング需要をうまく取り込み、「DXに成功したこと」であると言えますが、DXが2社の業績にどのような影響を与えたのか、深堀りしていきます。

※今回取り上げている四半期決算は、NIKEが2021年3-5月期、lululemonが2021年2-4月となっています。

NIKE, INC. REPORTS FISCAL 2021 FOURTH QUARTER RESULTS（2021年6月24日）

lululemon Athletica Inc. Announces First Quarter Fiscal 2021 Results（2021年6月3日）

NIKEの決算

まずは、NIKEの決算の概要について見ていきます。NIKEは、2021年3-5月期の四半期売上が $12.3B（約1.23兆円）、YoY+96%と、2倍近く成長しています。

四半期税引前利益 $1.8B（約1,800億円）で、前年同月の-$804M（約▲804億円）の赤字から大幅に回復して黒字化しています。税引前利益率も15%と、高い利益率を確保しています。

コロナ禍の影響を受けていない2年前の同四半期（2019年3-5月期）の売上$10.2B（約1.02兆円）と比べても、+21％で成長しており、コロナ禍の影響を強く受けた前期から回復しただけでなく、成長していることがわかります。

NIKEの地域別売上を見てみると、北米が$5.4B（約5,400億円）、YoY+141%、ヨーロッパが$3.0B（約3,000億円）、YoY+124%、中国以外のアジア・南米が$1.5B（約1,500億円）、YoY+82%と、いずれの地域も急成長しています。

コロナ禍での影響が比較的少なかった中国は、$1.9B（約1,900億円）、YoY+17%となっています。

lululemonの決算

次に、lululemonの決算概要について見ていきます。日本ではNIKEほど馴染みのないブランドなので、まずはlululemonの企業概要を紹介します。

lululemonは、1998年にカナダのバンクーバーで、主に女性用のヨガウェアを取り扱うアパレルとして創業し、現在世界中に約520店舗を展開しています。日本では銀座SIXや六本木ヒルズなどに店舗を構える比較的高額な価格帯のスポーツアパレルブランドです。

lululemon athletica is a technical athletic apparel company for yoga, running, training and most other sweaty pursuits.

自社のことを、ヨガ、ランニング、トレーニングなどの汗をかく活動を行うための「テクニカルアスレチックアパレル企業」と称しており、ユニークな存在であると位置づけています。

Our vision for our store was to create more than a place where people could get gear to sweat in, we wanted to create a community hub where people could learn and discuss the physical aspects of healthy living, mindfulness and living a life of possibility. It was also important for us to create real relationships with our guests and understand what they were passionate about, how they liked to sweat and help them celebrate their goals. Today, we do this in our stores around the globe.

また、ヨガなどの運動を通じて、健康的で豊かな生活をサポートすること、コミュニティを作ることをビジョンとして掲げており、世界中の店舗でこれらを実践していると書かれています。

2021年6月には、コミュニティを作るというビジョンに沿って「新しいウェルネスはじめよう」というテーマで3週間の間にさまざまなオンライントレーニングやワークショップに参加できるオンラインスウェットフェスを開催しました。その他にも、ヨガマットの販売や、バレンタインデー用のギフトボックスの販売など、衣類のみならず、運動や健康に通じる様々な企画、商品の販売などを行っています。

さらに、lululemonは販売戦略として、フィットネス関連の技術的な道具や、ヨガマットなどフィットネススタジオで使用するアイテムを割引価格で提供するプログラムを用意しています。

また、スポーツチームを支援するプログラムもあり、チームプログラムに登録すると、lululemon製品を特別価格で購入できます。

このように、lululemonの商品に関連性の高い事業者やチームと提携することで、販売を加速させる仕組みを戦略的に構築しています。

lululemonの決算概要を見ていきましょう。2021年2-4月期の四半期売上は、$1.2B（約1,200億円）、YoY+88%でした。NIKEと同様に前年同期比で2倍に迫る売上成長を見せています。営業利益は、$194M（約194億円）、YoY+491%で5倍近い成長率になっています。営業利益率は16%と、こちらもNIKEの税引前利益率15%同様に高利益率を確保しています。

2年前の同四半期（2019年2-4月期）売上$782M（約782億円）と比べても、+57％の成長をしており、コロナ禍前と比較しても大きな成長を見せています。

Company-operated stores net revenue increased 106% to $536.6 million.

中でも、直営店の四半期売上は$536.6M（約536.6億円）、YoY+106%と、全体の売上成長に大きく貢献しています。

ここまで、NIKEとlululemonの決算概要を見てきました。両社はコロナ禍前と比較しても成長しています。この2社は、コロナ禍にあった昨年の決算の中で、「成長要因はDXの成功」と公表していましたが、コロナ禍が落ち着いてきた北米で大きくビジネスを展開する2社の今回の決算の成長は、DXだけが要因だったのでしょうか。

記事の後半では、今回の決算で両社に共通する成長要因を深堀りしていきます。

この記事は、アパレル業界に携わっている方や興味がある方、DXで成長を加速させる方法について知りたい方に最適な内容になっています。

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・DXに成功したアパレル企業のNIKEとlululemon、前年同期比の売上成長率は？の答え
・NIKEとlululemonに共通するコロナ禍における成功要因
・DX勝者の勝ち方
・まとめ