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Q. 世界最大級の決済プラットフォームStripeが決済事業の次に始めるのは?

A. Stripe Capitalと呼ばれる中小企業向けのローン事業です。

今日の記事では、Stripeの新しい事業を取り上げてみたいと思います。Stripeはまだ上場していませんが、決済プラットフォームのゲートウェイAPIを提供しており、取扱高がとても大きくなってきている会社です。

2011年にサンフランシスコで設立され、現在はamazon、Google、Uber、Salesforceなどの大企業からスタートアップまで数百万社に利用されています。東京も含め世界中に14の拠点で従業員約2,000名を有し、135以上の通貨に対応した事業を展開しています。

主力事業は、日本でいうところのGMOペイメントゲートウェイ(東証一部上場)に似ている会社だとご理解いただければ良いのではないかと思います。主にオンラインの決済に特化して、企業向けにサービスを提供している会社です。

Stripe launches Stripe Capital to make instant loan offers to customers on its platform(TechCrunch 2019/9/6)

Stripeはもともと決済ゲートウェイに特化し、長い間プロダクトをあまり増やさずに成長してきましたが、ここ数年は決済だけではなく、その周辺ビジネスに大きく進出してきています。今日取り上げるのはStripeが提供する「Stripe Capital」と呼ばれる中小企業向けのローンビジネスです。


「決済ビジネス」=> 「ローンビジネス」への多角化

元々決済を提供しているビジネスプレイヤーがローンビジネスに進出することは、実は初めてではありません。

以前は、PayPalもそうですし、最近ではSquareが同じように決済ビジネスからローンビジネスに進出しています。「Fintechプレイヤーとして大きく抑えたいビジネスを二つだけ挙げろ」と言われれば、「決済」と「ローン」ということになるわけです。

先駆者であるSquareの例を少しだけ先に見ておきましょう。

SQUARE Q2 2019 Shareholder Letter(2019/8/1)


Squareのローンビジネス

Square Capitalというのは、Squareの決済を利用している小売店舗がSquareからお金を借りることができるサービスです。

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例えば$1万(約100万円)を借りる場合は、店舗の売上の14%を返済に充てられることになり、返済期間が1年、手数料が$1,050(約10.5万円)になるという具合に、簡単にシミュレーションができるようになっています。

Square Capital facilitated approximately 78,000 loans totaling $528 million, up 36% year over year.

Squareの決算資料によると、四半期の間に7.8万件のローンを実行し、ローンの合計金額は$528M(約528億円)、前年同期比+36%で伸びているという急成長事業のひとつです。

Cumulatively, Square Capital has facilitated approximately 800,000 loans totaling more than $5 billion since it launched in May 2014.

2014年5月にローンチされてからの累計を見てみると、件数は80万件、金額にして$5B(約5,000億円)以上のローンを実行してきました。

SquareやStripe以外にも銀行などを含め、ローンを提供している会社は多数あります。しかしなぜSquareやStripeのような新規参入プレイヤーがローンビジネスに相次いで参入し、これだけの急成長を見せているのは何故なのでしょうか?

今日の記事ではその背景を少し深く見ていきたいと思います。

この記事は、Fintechビジネスに携わっている方、決済関連のビジネスを担当されている方、ローンビジネスに将来関係するかもしれない方に最適な内容になっています。


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・その1: ●●も入手できないデータに基づいてローンを審査できる
・その2: 中小企業向けのローンは●●産業
・その3: ●●を持たない●●企業にもローンが提供可能だから

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