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Q. 再び成長軌道に入ったBASEのテイクレートが下がっているのはなぜ?

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ヒント:BASEの競争戦略が関係していると考えられます。

本日は、簡単にネットショップを開設できるBASE事業を展開するBASE株式会社(以下、BASE)のテイクレートが下がっている理由を解説します。BASEと言えば、コロナによって追い風を受けた企業の1つであり、TVCMなどでご存知の方も多いのではないでしょうか。

BASEはコロナによる成長が落ち着いた後、GMV(流通総額)はほぼ横ばいで推移していましたが、最新の2023年12月期2Qの決算では、前年同期比+17.6%と2桁成長を達成しており、再度成長の軌道に乗り始めています。

一方で、ECサービスなどのプラットフォーム事業にとって重要な指標であるテイクレートは下落傾向にあります。

果たして、GMVは成長しつつもテイクレートは低下しているこの状態は、BASEの事業にとって健全なことなのでしょうか?

この記事では、BASEのテイクレートが低下している理由について、BASEの競争戦略を踏まえてわかりやすく解説しました。ぜひ最後までご覧ください。


ECプラットフォームのGMV成長率

まずは、BASE(※BASE事業単体)と国内主要ECプラットフォームサービスである楽天市場、ヤフーショッピング、ZOZO、メルカリJPについて、各社のGMVとGMV成長率を比較してみましょう。

ECの規模を表すGMVは、楽天市場が1.5兆円で最も大きく、次いでヤフーショッピングが3,780億円です。BASEのGMVは328億円と最も小さい一方で、GMV成長率ではYoY+17.60%と、国内主要EC4社との比較では最も高い成長率です。

EC市場はコロナ禍で急速な盛り上がりを見せましたが、2023年時点ではその勢いが落ち着いたことで、主要ECプラットフォームのGMV成長率は概ねYoY+10%前後の水準です。


回復し始めたBASEのGMV成長

次に、BASE事業のGMVの推移を見ると、2020年12月期2Qからコロナ禍で一気に成長が加速し、QoQで約2.5倍という驚異的な成長を遂げました。

しかし、その後は概ね横ばいで推移しており、前年比でマイナス成長となる四半期もありましたが、2023年12月期2Qの決算では2桁成長を達成しています。


売上成長率ではGMV成長率を下回る

次に、売上と売上成長率について、BASEと国内主要EC各社を比較します。

売上は楽天市場が2,157億円で最も大きく、次いでヤフーショッピングが716億円、BASEはわずか19億円と最も小さい規模です。売上成長率はこちらも楽天市場がYoY+13.50%で最も高く、BASEはYoY+8.2%です。

ここで特筆すべきポイントは、BASEのGMV成長率はYoY+17.6%だったのに対して売上成長率はYoY+8.2%と、「GMV成長率が売上成長率を上回っている」ということです。

BASEのビジネスモデルは「売上 = GMV × テイクレート」で表せるため、GMV成長率が売上成長率を上回ったということは、「BASEのテイクレートが低下している」ということになります。

ここまで、BASEと国内主要ECサービス各社との比較や、BASEの決算情報から読み取れる内容を整理しました。記事の後半では、ECなどのプラットフォームサービスにとって非常に重要な指標であるテイクレートが低下しているのは何故なのか、BASEの競争戦略を踏まえて解説しています。

この記事は、プラットフォーム事業に従事する方や企業の競争戦略に関心がある方におすすめの内容となっています。


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・Q. 再び成長軌道に入ったBASEのテイクレートが下がっているのはなぜ?の答え
・BASEのテイクレートが低下している理由
・国内主要ECと比較してテイクレートは最も低い水準
・競合は●●
・頼もしい●●の成長
・まとめ


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